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川崎F U-18の10番がバイエルン戦に出場…17歳MF尾川丈「こんな経験はなかなかできない」

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MF尾川丈

[7.29 Jリーグワールドチャレンジ 川崎F 0-1 バイエルン 国立]

 川崎フロンターレU-18で10番を背負う高校3年生のMF尾川丈が、バイエルン戦の最後の交代カードとしてピッチに立った。ファーストプレーのパスカットでは国立に集まった川崎Fサポーターから大声援も送られ、試合後には「ゲームとかテレビで見ている選手たちとサッカーをしたので不思議な気持ちだった」と率直な感想を口にした。

 川崎F U-18は今月、日本クラブユース選手権(U-18)大会に優勝候補の一角として出場していたが、27日の決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)でFC東京U-18に敗戦。尾川、FW岡崎寅太郎、DF江原叡志、DF土屋櫂大の4選手が急遽、この一戦にベンチ入りすることになった。

 ベンチ入りすることでさえも「クラブユースで優勝したい思いのほうが強かったし、急遽こっちに呼ばれたのでイメージしていなかった」という尾川だったが、この日はMF脇坂泰斗が前半途中に脳震盪の症状を訴え、早い時間にMF瀬古樹が投入されていた影響もあってか、後半41分に瀬古に代わって中盤の一角に入った。

 それでも浮き足だった様子はなく、投入から約1分後のファーストプレーでは、左サイドを突破したMFキングスレイ・コマンの横パスをスライディングで阻止。普段はなかなか大観衆の中でプレーすることのない18歳にとって「ボールカットした時に大きな声援があって、すごく力になった」という場面だった。

 もっとも、終盤の川崎Fはバイエルンに一方的にボールを握られる中、攻撃に関わるプレーはなかなか出せず。アディショナルタイムにはようやく敵陣でボールを持ち、味方に預けて裏に抜けるアクションも繰り出したが、パスが出されることはなく、約7分間のプレータイムを終えた。

 試合後、尾川は「短い時間の中でもっともっとできることはあったので、もっともっとアピールして、自分の持ち味を出せれば良かった。ボールを受けてさばいて、ゴールに関わるプレーをできれば良かった」と反省点を述べつつも、「こんな大舞台で出させてもらって感謝している」と清々しい表情を浮かべた。

 バイエルンの選手は「ほとんど知っていた」といい、特にMFレオン・ゴレツカからは「デカくて迫力がすごかった。ちょっと当たっただけでも結構痛かった」と素直な刺激を受けた様子。「普段トップチームでプレーできるのもあまり想像できない中で、バイエルンという世界的なチームとできて良かった」と喜びを口にし、「こんな経験はなかなかできないので、今日経験できたことを今後の自分の成長につなげていきたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
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