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“故郷”名古屋に挑んだ新潟GK小島亨介「諦めずにJ1の舞台でやるのを思い描いていた」PKストップなど好守連発

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アルビレックス新潟GK小島亨介

[8.5 J1第22節 名古屋 1-0 新潟 国立]

 アルビレックス新潟GK小島亨介が、生まれ育った故郷のクラブでもある名古屋グランパスとの初対決で好パフォーマンスを見せた。試合後にはかつてお世話になった指導者たちから「身体がデカくなったな」と労いの声もかけられたといい、国立開催でホーム凱旋とはならなかったものの特別な一戦となったようだ。

 小島が輝きを放ったのは0-1で迎えた後半9分、名古屋のハイプレスに捕まってボールを奪われ、FWキャスパー・ユンカーに絶好のチャンスを作られたものの、鋭い反応でシュートを防いで見せた。「1点差だったので早く追いつければ勝ちに繋げられる時間があった」と逆転を信じた気迫のスーパーセーブ。国立競技場に集まった5万7千人以上の観衆が大きくどよめいた。

 さらに後半15分には今度はユンカーのPKをストップ。「スカウティングもあるし、あとは自分が最後に決めて思い切って飛ぶということを意識していた。それがジャストで合ったので止められて良かった」。見事な読みと、正確なセービング。これまでの積み重ねが光った場面だった。

 愛知県豊田市出身の小島はかつて、世代別代表の日本代表で常連だったGK。しかし、名古屋U18からトップチームには昇格できず、早稲田大経由で19年に当時J1所属だった大分に加入した。初年度はルヴァン杯のみの出場に終わり、20年からは新潟に期限付き移籍。J2リーグで武者修行に出たが、負傷の影響もあってコンスタントに出られないシーズンが続いていた。

 それでも昨季は新潟に完全移籍すると、J2リーグ戦全42試合に出場し、J1昇格に大きく貢献。自らの力でトップカテゴリに上り詰め、古巣との対戦機会を掴んだ。今季の前半戦は出番をGK阿部航斗に奪われたが、再び正GKに定着し、名古屋とのリーグ戦に初出場。舞台は豊田スタジアムではなく国立競技場となったが、特別なクラブとようやく対峙することができた。

 試合後、小島は「アカデミー時代にお世話になった方も観に来られていたし、少しでも成長した姿を見せたいと思っていた。何シーンかはそういうところを見せることができた。ただ、やっぱり勝てなかったのでそこはまだまだかなと思っている」と悔しさをのぞかせつつも、新たなモチベーションを口にした。

「これまでやり続けてきたところ(の成果)だと思う。大きな手術も数回して、苦しい時期も過ごしたけど、諦めずにJ1の舞台でやるというのを思い描いていた。ただスタート地点に立ったに過ぎない。これからJ1で試合数を重ねながら日本を代表するようなGKになっていきたい」。故郷のクラブとの一戦を経て、さらなる飛躍を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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