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鳥栖は前半2点リードも後半3失点、8戦ぶり勝利ならず…川井健太監督「成長するための試練」

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川井健太監督

[9.23 J1第28節 FC東京 3-2 鳥栖 味スタ]

 前半2得点を奪いながら、後半3失点で再び勝利は遠のいた。サガン鳥栖はリーグ戦8試合連続で未勝利が続く。川井健太監督は試合後の会見で「今日こそはという意気込みで戦ったが、それが達成できずに残念。ただ、選手たちはがんばってくれた。毎回同じことを言うが、本当にあと少しの部分」と悔しさをにじませた。

 前節は横浜F・マリノスを相手に先制に成功したが、直後に痛恨の失点を喫し、白星を逃した。7試合未勝利が続く中で今節を迎えると、前半18分にMF長沼洋一が先制点を奪い、同32分にFW富樫敬真がPKで追加点。8試合ぶりに複数得点を奪うことに成功した。

 だが、そこから勢いは急に落ちた。川井監督は「前半30分までパーフェクトなゲームができた」と称えつつ「そこから失点はしなかったが、2点を貯金にしてしまい、自分たちでボールを奪いに行く、ゴールを取りに行く、プラスにしていく作業が減った」と指摘する。徐々にFC東京が勢いをつけていき、鳥栖は後半から猛反撃を受ける。後半9分にMFアダイウトンに、14分にMF渡邊凌磨にゴールを決められると、42分には俵積田晃太の逆転ゴールを浴びる。2-3でまたしても勝ち点3を落とした。

 指揮官はハーフタイムに修正を図る。「前半の中盤から終盤にかけて緩みがあった。メンタル面のところで彼らに油断をさせないようにアプローチをし、油断はせずに入った」。だが、一度傾いた劣勢は立ち直らなかった。「そこで貯金が1となり、ゼロになり、パワーがなくなった」と敗戦の流れを沿ってみせた。

 2年目のシーズンも終盤となった川井監督体制だが、チームは苦境に陥っている。それでも川井監督は今後の建て直しについて質問が及ぶと、「前の状態に戻りたいわけではないので」とそれを否定。「われわれは成長し続けたいというところで、成長するための試練だと思う」と真意を語る。

「もとに戻るという考えを持ってしまった時点でおそらく終わり。われわれも良くなっている。ただ、相手も良くなっている。だから勝てなくなっている。だからもっともっと良くなりましょうと。前の状態に戻るというのは好きではない。建て直すという言葉は好きではない」

 今節の敗戦で順位は12位から15位に落ちた。中断期間明けの敵地2連戦を終え、30日の次節はホームで京都サンガF.C.と対戦する。28試合を糧にして、残り6試合で成長を示したい。

(取材・文 石川祐介)
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Text by 石川祐介

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