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守備の安定で勝ち点伸ばす柏、GK松本健太「目に見える数字としてよくなっている実感はある」

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川崎F戦でもビッグセーブを見せた柏GK松本健太

[10.29 J1第31節 柏 1-1 川崎F 三協F柏]

 ポゼッションをスタイルとする川崎フロンターレに対し、柏レイソルは狙いどおりの試合運びから先制点をつかんだ。前半40分、川崎Fの中盤と最終ラインが1分以上にわたってボールを回していく中でも焦れずに自陣で待ち構えると、川崎Fが中盤から前線へ入れようとした縦パスを、ボランチのMF高嶺朋樹がカットしてFWマテウス・サヴィオにあずける。サヴィオが自陣から最終ラインの裏のスペースを狙ったパスに走り込んだMF山田雄士がゴールネットを揺らすまで、わずか8秒のカウンターだった。

「相手が握ってくる中でしっかりブロックを敷いて、相手のパスを引っ掛けたときのショートカウンター、ロングカウンターっていうのは、今週特に取り組んできました。そういう意味では前半はすごい理想的な戦い方もできましたし、理想的な点の取り方ができたと思います」

 GK松本健太は、最後尾から前半を見つめていた。後半に入って川崎Fが攻勢をかけようとしていた矢先の9分に退場者を出し、柏が優位な状況に立った中で、25分には同点弾を許してしまった。

「1人少なくなったからといって前から積極的に奪いにいくよりは、前半と同じように我慢しながら守備はできていたと思います。ただ、ボールを奪って1本目のパスでかんたんにボールをロストしてしまって、逆にカウンターを食らうシーンは後半目立っていたと思います。そういう少しのズレは、相手が1人少なくなってから多いと感じました」と松本が反省するように、焦って攻めているようなシーンが目立ち、失点の場面に限らずパスミスが少なくなかった。

 1人少なくなった相手にホームで勝ちきれなかったのは痛恨だが、最低限となる勝ち点1を獲得し残留へ一歩前進した。開幕からの21試合では33失点していた柏は、第22節以降の10試合では10失点と激減。それにともない、前半21試合で「14」だった勝ち点は、後半の10試合で「16」積み上げられている。

「中断期間で守備の部分を特に整理して戦ってきている中で、結果もちゃんと出てきていますし、僕としては失点数を気にする部分なので、目に見える数字としてよくなっている実感はあります」。川崎F戦でもチームを救う好プレーを見せていた松本は、「1人で守っているわけではないので」とチーム全体での守備力の向上を強調する。

 16位に位置するリーグ戦は、残り3試合。自動降格となる18位とは勝ち点4差だ。「目の前の一つ一つの試合に対してどう勝ち点3を取るかを考えて、まずはしっかり残留を決めたいです」。リーグ終了後には、この日の再戦となる川崎Fとの天皇杯決勝が待っている。「残留を決めた上で、気持ちいい状態で天皇杯決勝を迎えてタイトル取れるように」。26歳の守護神は、力を込めた。

(取材・文 奥山典幸)
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奥山典幸
Text by 奥山典幸

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