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2年前の練習試合で家長らトップ選手が絶賛…川崎Fトップ昇格の由井航太「まずはこのクラブでスタメンを取るところから」

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MF由井航太

 川崎フロンターレの育成組織から期待の若手がトップ昇格を果たした。MF由井航太(←川崎F U-18)は20日の新体制発表会後の囲み取材で意気込みを語る。「どこのチームに行ってもポジション争いはある。全然当たり前のことなので、そこに対しては何もない。がんばります」と目を光らせた。

 新体制発表会のトークイベントでは、新加入選手の紹介が行われた。由井のときにはマル秘エピソードがMCから語られる。「22年夏、トップチームとU-18が非公開で練習試合を行った。クラブハウスに帰ってきたトップの選手たちが18番(由井)が上手いと語る。アキ(家長昭博)も『由井くんボールキープが上手いから試合が落ち着く』と絶賛していた」。会場のサポーターからはどよめきが起きていた。

 エピソード披露のときには照れ笑いをしていた由井。その話は初耳で「めっちゃうれしい。マジで嬉しいです」と改めて笑みを浮かべる。「(練習試合では)家長さんとはやっていないんです。たぶん(ピッチ外で)観られていたのかなと。そんなよかった感じはしなくて、ユースの周りがみんな上手いので助けられた」と謙そんしていた。

 同学年のなかからは唯一のトップ昇格だ。新体制発表会では向島建スカウトから「おそらくトップに関わってくるような選手になってくる」と以前から期待されていたことを明かされる。しかし、当の本人からは「正直上がれると思ってなかった」と意外な言葉が出た。「ユースから大学に行ってここの舞台を目指すものだと思っていた」。思いがけないプロ入りに驚きつつ、それでも今はキャンプでアピールを続ける。

 向島スカウトはキャンプでの由井を見て「やっぱりいい選手。1対1がめちゃくちゃ強い」と太鼓判を押す。評価された点は守備でのボール奪取、球際の強度。対人の強さに関して、由井は同期との研鑽を語る。「岡崎寅太郎と中学から永遠に1対1をしていた。それがすごくいい成長になったのかなと思う」と胸を張った。

 いまはまだ大きな目標を掲げない。「まずは本当にこのクラブでスタメンを取るところから」。川崎F U-18ではCBも経験したが「僕がボランチで勝負したい」と力を込める。「もちろんCBを任せられたら、それに対して全力で取り組む。だけどボランチをやりたい」とプロ初年度ではがむしゃらに定位置を奪うつもりだ。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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