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敗戦気分に近い引き分け。苦しむ千葉

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[4.27 J2第10節 千葉1-1富山 フクアリ]

 タイムアップ寸前のラストプレー。MF兵働昭弘のロングパスが、受け手との意思の疎通なくラインを割って外に出た。イメージのズレ、焦る気持ちの空回り……。ジェフユナイテッド千葉の今の状況を象徴するかのようなラストシーンだった。1-1のドロー。試合終了の笛が鳴ると、兵働はがっくりと膝に両手をついて下を向いた。一度顔を起こしかけたが、また下を向いて首を振った。「ダメですね」。そう振り絞るしかなかった。

 2試合連続無得点という現状を打破すべく、今までの4-2-3-1からフォーメーションを変え、4-4-2でカターレ富山と対峙した。2トップの一角にはG大阪から移籍後、初先発の大塚翔平木山隆之監督は「2トップのコンビで、荒田が相手DFの裏を突けるように」との狙いで大塚を起用したがうまく機能せず、クサビを入れたところでボールを失うことが多く見受けられるようになると、徐々にクサビのパスそのものが減少。テンポの良い攻撃ができなかったうえに、攻め急ぐような場面も見られた。

 後半24分、CKからマーク・ミリガンがどうにか先制点を決めたが、その10分後にはジャッジに異議を唱えている間に集中力を欠いたミスから失点し、追いつかれての引き分け。木山監督は「1点取った後にたたみかけなければいけなかったが、ちょっとした隙に点を取られた。でも2試合0得点だったところから1点取れたので、またベストを尽くしてやっていきたい」と言うが、気になるのは選手の消沈した様子だ。

 先制点を挙げたミリガンは「点を取れたのは良かったけど、0に抑えることも大事。とにかく集中していかないと」と厳しい口調。兵働は「ペナルティーエリアに入っていくところで、パスの質や精度を上げないといけない。点がほしいあまり、余裕がなくなっている。ゴールに向かい過ぎというか、遊びがない。もう少し人数を掛けて崩せればいいのかなとも思う」と苦悩の表情を浮かべた。

 結果も悪いが内容も悪かった引き分けで4連戦の初戦を終えてしまった千葉は、ここ5試合1勝2分2敗。ゴールデンウイークに巻き返しを図れるかどうかが、今後のカギを握ってきそうだ。

(取材・文 矢内由美子)

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