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4年連続のタイトルに挑む柏、MF栗澤「経験が選手を強くする」

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 カップ戦で勝負強さを見せている最近2シーズンの柏レイソル。ナビスコ杯決勝を翌日に控えた1日、公開練習後の取材でMF栗澤僚一はその秘訣を語った。「J1優勝やACLや天皇杯優勝といった経験が選手を強くする。試合に何をしなければいけないかはわかっている」。10年のJ2優勝にはじまり、11年にJ1優勝、12年には天皇杯を制している柏。迎えた今シーズン、リーグ戦では11位に低迷するが、ACLでは決勝進出こそ逃したものの日本勢として4年ぶりに準決勝へ進出。ナビスコ杯では決勝に進出し、王者として臨んでいる天皇杯でも4回戦に駒を進めている。

 そんな柏だが、ナビスコ杯決勝では出場停止の選手に続いてケガ人も出てしまい、ベストメンバーが組めない苦しい状況に。出場停止のMF大谷秀和に代わって主将を務める栗澤は、「天皇杯でも工藤(壮人)がいなかったりした中でも優勝しているので、その経験が今回も活きると思う。誰が出ても活躍するのが持ち味」と自信を覗かせた。

 柏サポーターの記憶に残るのは、99年のナビスコ杯決勝。そのときも大黒柱のDFホン・ミョンボが出場停止、中盤の要であるMF明神智和と守護神GK南雄太を五輪代表招集で欠いていた。それでも逆境をはねのけ、鹿島をPK戦の末に下してチーム初のタイトルを勝ち取っており、今回もその再現に期待がかかる。

 柏にとって朗報は、左股関節内転筋損傷で戦列を離れていたMFレアンドロ・ドミンゲスの復帰だ。「レアンドロが攻撃の起点になることは間違いないので、イライラさせないようにボールをさわらせてあげたい。ボールがレアンドロに入ったときに、まわりの選手の動き出しが重要になる」。約2か月半ぶりの“キング”の帰還に、栗澤も期待をよせる。「いままでは股関節が痛いながら無理をしていた。見ていてかわいそうなくらい走るのもつらそうで、痛々しかった。それがなくなって気持ちよくプレーしている印象。早く試合がやりたくてウズウズしているはず」と栗澤が言えば、当のレアンドロも「このタイミングで戻ってきて、使ってもらえるということで、いままで迷惑かけたぶんもやってやろうという気持ち」と気合いをみなぎらせていた。

 99年のナビスコ優勝を知る選手はいないが、現在の選手たちはここ数年でそれ以上の経験値を積み重ねている。「大舞台での経験はこういうときに活かされる」。栗澤主将率いる柏が、総力戦で大一番に挑む。

(取材・文 奥山典幸)

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