beacon

「小さな島国から来て…」四国の約半分、キプロス初のJリーガーが決勝で鮮烈2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

途中出場で2ゴールを決めたFWピエロス・ソティリウ

[10.22 ルヴァン杯決勝 C大阪1-2広島 国立]

 サンフレッチェ広島に初のカップ戦タイトルをもたらした。0-1の後半18分から途中出場したFWピエロス・ソティリウが後半アディショナルタイム6分のPKを確実に決めると、後半アディショナルタイム11分にはMF満田誠の右CKから右足で決勝点。大逆転での劇的優勝の立役者となった。

 ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入もあり、オンフィールドレビューの結果、C大阪側にハンドがあったとして獲得したPKのチャンス。迷いなくボールを持ってPKスポットに向かったソティリウは「良い感触があったので、自分がボールを取って蹴ることにした」と、落ち着いてGKの逆を突き、ゴール右に流し込んだ。

 その5分後には満田の右CKがニアサイドの密集を越えてきたところにフリーで走り込み、右足ダイレクトで合わせた。「足を出したところにボールが来たので、それを蹴っただけ」。後半アディショナルタイムの2ゴールでチームを逆転優勝に導き、決勝戦のMVPにも選ばれた。

 殊勲の2ゴールにも「自分が決めていなくても、だれが点を取っていたとしても、チームが勝てたことがうれしい」と謙虚に喜んだ29歳のストライカーは、Jリーグ初のキプロス人選手として今夏、広島に加入した。アポエル(キプロス)時代には欧州チャンピオンズリーグにも出場。コペンハーゲン(デンマーク)やルドゴレツ(ブルガリア)でも活躍し、キプロス代表としても豊富な国際経験を持つ。

 地中海に浮かぶキプロス島の大きさは四国の半分程度。「キプロスという小さな島国から来て、大きな島の日本で活躍することは簡単ではない」。そう照れ笑いを浮かべたソティリウは「これからも活躍したいし、成功したい。このチームにもっとタイトルをもたらしたい」とさらなる貢献を誓った。

(取材・文 西山紘平)
●ルヴァン杯2022特設ページ

TOP