beacon

広島がルヴァン杯大逆転初優勝! C大阪に先制許すも…ソティリウが後半ATに超劇的2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

広島が初優勝

[10.22 ルヴァン杯決勝 C大阪1-2広島 国立]

 ルヴァンカップは22日、国立競技場で決勝を行った。セレッソ大阪サンフレッチェ広島の対戦は、広島が2-1で初優勝。後半8分に先制を許すが、後半アディショナルタイム6分過ぎ、11分過ぎにFWピエロス・ソティリウがゴールを決め、逆転に成功した。これまで主要カップ戦タイトルで8度も準優勝に終わっていたが、初のタイトルを獲得した。

 C大阪は昨シーズンに続いて2年連続の決勝進出となった。2017年以来5年ぶり2度目の優勝を狙う。4-4-2の布陣でGKはキム・ジンヒョン、4バックは左からDF山中亮輔、DF鳥海晃司、DFマテイ・ヨニッチ、DF松田陸が並ぶ。ボランチ2枚はMF鈴木徳真とMF奥埜博亮。左サイドはMF為田大貴、右サイドはMF毎熊晟矢、2トップはFW上門知樹と加藤が起用された。

 広島は16日の天皇杯準優勝から6日後、再びカップ戦決勝の舞台へ。14年以来のルヴァン杯決勝で初優勝を目指す。3-4-2-1の布陣でGKは大迫敬介、3バックは左からDF佐々木翔、DF荒木隼人、DF塩谷司。ボランチ2枚はMF野津田岳人とMF松本泰志が配置され、左WBはDF野上結貴、右WBはMF川村拓夢が置かれる。2シャドーはMF満田誠とMF森島司で、1トップはFWナッシム・ベン・カリファが入った。[両スタメン&布陣]

 両者は2度のリーグ戦と天皇杯準々決勝の合計3度対戦しており、広島が3連勝。今回が4度目の対戦となる。広島は相手のボール保持時に得意のハイプレスを敢行。キックミスを誘発し、ボール奪取から攻撃を仕掛けていった。前半2分には満田がPA右から右足シュート。しかし、GKジンヒョンの正面に収まった。

 C大阪はロングボールからゴールに迫る。前半16分、中盤でボールを収めた鈴木が最前線にスルーパス。反応した加藤がPA左まで入り込み、右足シュートを放つ。だが、GK大迫のセーブに阻まれた。

 時間が経つにつれ、C大阪の決定機が増える。前半26分、左サイドで加藤がヒールキック。為田が左サイドの深い位置まで入り込み、グラウンダーのクロスを送る。毎熊がノーマークでニアサイドに詰めるが、わずかに合わなかった。

 前半は両者ともに決定機を決め切れず、スコアレスで後半に折り返す。ハーフタイムでの交代はなかった。

 後半開始からC大阪が勢いを増していく。すると、後半8分に決定機が到来する。佐々木からGK大迫へのバックパスが短いところを、加藤が逃さずにインターセプト。PA内に入り、GK大迫の飛び出しを冷静にかわす。PA右から無人のゴールに流し込み、待望の先制点を手にした。

 先制したC大阪は後半13分、GKジンヒョンのロングフィードを最前線の毎熊が収める。そのままPA内に進入。右足シュートを放つが、GK大迫の好セーブに遭う。直後の右CKを鈴木が蹴り、PA中央のヨニッチが強烈なヘディングシュート。だが、惜しくもゴール左に外れた。

 追いつきたい広島は後半15分、満田がミドルを放つが、GKジンヒョンの正面。18分には野上が右サイドからクロスを上げると、ニアサイドのベン・カリファが頭で合わせる。しかし再びGKジンヒョンのセーブにはじかれる。直後には松本を下げ、ソティリウを投入した。

 C大阪は後半25分に2枚替え。上門と負傷した加藤に代え、途中出場のFW北野颯太とMF清武弘嗣が2トップを組む。攻勢を強める広島は同28分、森島のクロスをソティリウがヘディングシュートも枠外。31分にも森島のクロスから川村が頭で合わせる。だが、GKジンヒョンにキャッチされた。

 後半31分、中盤でヨニッチとベン・カリファが交錯。山本雄大主審はヨニッチのファウルを取り、イエローカードを出した。さらにビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックが入り、山本主審は改めてモニターで確認。その結果、ヨニッチがベン・カリファの顔を殴ったとみなし、レッドカードに変更。C大阪は残り時間を10人でプレーすることになった。

 後半35分に両者交代カードを切る。広島は野津田を下げ、MF柏好文が入る。C大阪は為田に代え、DF西尾隆矢の投入で守備の枚数を増やした。

 後半アディショナルタイムは9分。すると、数的不利のC大阪にさらなる試練が訪れる。後半アディショナルタイム4分過ぎに鳥海が自陣内でハンドをしてしまい、広島にPKを献上する。広島はキッカーにソティリウを選択。冷静にゴール右隅に決め、1-1と試合を振り出しに戻した。

 さらに試合は動く。広島は試合終了間際、満田が右CKを蹴り込むと再びソティリウ。右足で押し込み、逆転ゴールを挙げた。直後に試合終了。2-1で大逆転の初優勝を成し遂げた。

(取材・文 石川祐介)
●ルヴァン杯2022特設ページ

TOP