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[ぎふ清流国体]福岡県、佐賀県との隣県対決制して12年ぶりの4強進出!:少年男子準々決勝

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[10.2 岐阜国体少年男子準々決勝 佐賀県0-3福岡県 飛騨古川V]

 第67回国民体育大会「ぎふ清流国体」サッカー競技少年男子の部は2日、準々決勝を行い、隣県対決となった佐賀県対福岡県戦は福岡がMF瓜生昂勢(筑陽学園高、2年)の先制ゴールとFW中島賢星(福岡U-18、1年)の2ゴールによって3-0で勝った。00年以来12年ぶりの4強進出を決めた福岡は準決勝で大会2連覇を目指す静岡県と対戦する。

 前日の2回戦でV候補・東京都との延長戦を制した福岡が、隣県の難敵・佐賀も突破した。試合は前半、守りを固める佐賀を福岡が押し込んだ。ただ、CB岩崎尚将(佐賀商高、2年)中心に守る佐賀は中央が堅く、福岡にスペースを与えない。福岡は17分に左SB岩崎尚将(九州国際大付高、2年)のクロスのこぼれ球に反応した瓜生のシュートが佐賀GK田中慈瑛(鳥栖U-18、1年)のビッグセーブにあうなど、攻めながらも得点できない展開。それでも前半ロスタイム、福岡はカウンターから先制する。

 インターセプトから中央でパスをつないだ福岡は、中島が左前方の瓜生へスルーパスを送る。ゴールへの角度はあまりなかったが、瓜生は「ファーサイドで(チームメートが)呼んでいたけれど、その声でGKが前に出たので頭の上を狙った」と左足ダイレクトでのループシュートを選択。鮮やかな弧を描いたボールはゆっくりとゴールネットへ吸い込まれ、先制ゴールとなった。今大会2点目の瓜生は「それまで全然仕事をしていなかったので良いアピールになった。次につながった」とホッとした様子だった。

 それでも後半、福岡は佐賀の逆襲を食らう。後半開始からMF鎌田幸希(鳥栖U-18、1年)とFW山口拓巳(鳥栖U-18、1年)を同時投入した佐賀は、鎌田が左サイドから鋭い仕掛けを見せたほか、MF中原貴志(佐賀東高、1年)とMF岩崎紘平(鳥栖U-18、1年)が積極的に相手の背後を狙い、またテンポ良くボールを動かした司令塔のMF樋口雄太(鳥栖U-18、1年)も果敢にドリブル突破を図るなど福岡ディフェンス陣にプレッシャーをかける。7分には福岡FW中井栞吏(東海大五高、2年)に強烈なミドルシュートを放たれたが、これをクロスバーに救われると、逆に8分には右クロスをファ-サイドで受けた鎌田が後方へ落とし、走りこんだ中原が決定的な右足シュート。だが、これは福岡GK川島大輝(福岡U-18、1年)の好守に阻まれ、こぼれ球を左足で叩いた樋口の一撃も川島にゴール外へかき出された。

 その後もオープンスペースを突いてゴールを目指す佐賀は次々とクロス、シュートを放ってくる。だが、福岡は本来攻撃的MFが本職ながらもCBでハイパフォーマンスを見せる山下敬大(九州国際大付高、2年)が絶妙なインターセプトを連発。パートナーのCB加奈川凌矢(東福岡高、1年)も安定してクロスを跳ね返すなど、得点を許さない。そして選手交代で攻守のスピードを上げた福岡は26分、交代出場のFW木藤舜介(東福岡高、1年)とのワンツーでPAを打開したエース中島が右サイドからニアサイドへシュートをねじ込み、2-0。佐賀は負傷を抱える注目FW福田圭祐(佐賀東高、1年)を20分から投入し、その福田が強引なドリブル突破を見せるなど反撃する。だが福岡は34分、中島が再び木藤とのワンツーでPAを攻略して右中間を抜けだすと、今度はファ-サイドへシュートを流し込んでダメ押した。

 森重潤也監督(東福岡高)が「モチベーションがスゴく高い」と評価する福岡イレブンは目標ラインに設定していた4強進出を達成。ただ、1回戦から3試合を戦っており、疲労度も高まってきていることは間違いない。指揮官が「疲労で動けなくなる中で、あとどれだけやれるか」と注目するように、これからさらに厳しくなる戦いを意欲的に乗り越えていくことができるか。瓜生は「1試合1試合重ねるごとに団結力が増して来ている。サッカーに対する熱も上がってきている」と言い切る。準決勝の対戦相手は2戦11発の王者・静岡。2回戦から登場の静岡に対して体力面での劣勢が予想されるが、それでも負けるつもりはない。中島は「球際で負けたら話にならない。スタートから勢いを持ってやれればどうにかなる」。勝てば同県にとって初の決勝進出。新たな歴史をつくるため、攻守にタレント揃う好チーム・福岡が王者を乗り越える。

[写真]前半ロスタイム、先制ゴールを決めた福岡MF瓜生がゴールパフォーマンス
(取材・文 吉田太郎)
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