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[国体少年男子]前向きな点あった一方で反省の初戦、良さ出しきれなかった大阪府は高知県に1-0勝利

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[9.27 国体少年男子1回戦 大阪府 1-0 高知県 上富田スポーツセンター多目的グラウンド]

 第70回国民体育大会「2015紀の国わかやま国体」は27日、U-16世代で行われる少年男子サッカー競技が開幕した。悲願の選抜チーム初優勝を目指す大阪府と高知県との一戦は1-0で大阪が勝った。大阪は28日の2回戦で茨城県と戦う。

「やれるのにやっていない」。1-0で勝利した高知県戦後、大阪の永野悦次郎監督(大阪桐蔭高)は厳しい表情を見せた。開幕直前の25日に練習試合で大阪桐蔭高と対戦した際は、チーム内で要求の声がよく出て良さを出していたというが、この日はその声が少なく、また「不注意が多くて、正確性に欠けていましたね」(永野監督)。前半からMF西矢健人(大阪桐蔭高1年)とMF有水亮(C大阪U-18、1年)のダブルボランチ中心に幅のある攻撃で相手の守りを広げ、相手を走らせていた大阪は31分に右サイドから仕掛けたU-16日本代表FW中島元彦(C大阪U-18、1年)がPKを獲得。このPKを中島が冷静に左隅へ沈めて先制点を奪う。

 大阪は直後にも浮き球を胸でコントロールした中島がドリブルシュート。また、後半は動きに思い切りが出だしたU-15日本代表FW山田寛人(C大阪U-18、2年)や中島を中心に2点目を狙う。局面でショートパスを3本、4本と繋いで打開しシュートを放つ大阪は前半の4本からシュート数を9本にまで伸ばしたが、ゴール前の精度を欠いていたこと、また高知守備陣が不用意に飛び込まずに中央を固めていたこともあって、追加点を奪うことができない。

 一方、4バックを高知高の選手たちで固める高知は前線でしなやかな動き見せるFW後田翔太(明徳義塾高1年)やキープ力を発揮したMF和田英岐(高知工高2年)中心に反撃。右SB坂出修將(高知高1年)、左SB西村勁哉(高知高1年)のスピードあるクロスボールがゴール前に入り、試合終盤でも縦への力強さを持ち続けていた。大阪は緊張からかプレーに余裕がなく、大阪のポジショニング、距離感、組み立てを表現できず。それでも岸田悠佑(G大阪ユース)と森永耀晟(G大阪ユース)の両CB中心に完封勝利を果たした。

 大阪はMF久保田和音(現鹿島)やMF市丸瑞希(G大阪ユース)らを擁した2年前の決勝では攻めながらも、カウンターによる失点によって0-1で敗れている。その試合の映像を見ていたというチームは、セットプレー含めて守備面の集中力高く、久々という無失点での白星で初戦を終える前向きな部分もあった。

 西矢は「ミニ国(近畿予選)終わってから練習試合勝てていなくて、それもあってちょっと硬く入ってしまった。ひとつになったらいいサッカーできて内容も結果も伴ってくると思う。チームで組織として守備して、前から行ってインターセプトをしたり、攻撃面でも関わって、人数増やして細かい崩しはできると思う」。2回戦で茨城に勝利すれば、昨年の準々決勝で0-4で敗れた神奈川と再戦する可能性がある。組み合わせによっては準決勝では近畿予選で敗れている兵庫県と再戦。そして過去7回の大会で4回敗れている決勝で悲願の初優勝に挑戦と、勝ち進めばチームにとってはモチベーションとなる試合が続くだけに、力を出しきれなかった初戦を次への糧とする。

[写真]前半31分、大阪は中島が先制PKを決める

(取材・文 吉田太郎)
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