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[少年男子]山口県に苦戦も3発逆転勝ち!悲願の初Vへ、大阪府が11年連続8強入り

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前半23分、大阪府はMF荻野元伸が勝ち越しゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.1 国体少年男子2回戦 山口県 1-3 大阪府 三国運動公園人工芝G]

 1日、第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」少年男子の部2回戦が行われ、前回3位の大阪府が山口県に3-1で逆転勝ち。大阪府は2日の準々決勝で石川県と戦う。

 大阪府はこれで11年連続となる8強入り。過去10大会中8大会で4強入りし、準優勝5度の強豪が悲願の初優勝へ向けて一歩を踏み出した。ただし、初戦は苦しい展開に。前半10分、「厄介だというのは分かっていた」(梶田浩信監督、FC Unione柏原)とい山口県のキーマン・FW杉村駿介(山口U-18、1年)にターンで前を向かれ、スルーパスを通されてしまう。山口県は、これで抜け出したFW松原翔太(山口U-18、1年)がGKをかわして左足で先制点。大阪府は序盤からビハインドを負うことになった。

 ただし、中盤、最終ラインにもキック精度の高い選手が揃っている大阪府は、精度の高いフィードやサイドチェンジを通して山口県に揺さぶりをかける。そして18分、前線でボールを拾ったFW吉田有志(C大阪U-18、1年)が仕掛けてコースを突いた左足シュート。これが右隅に決まり、同点に追いついた。

 大阪府は左サイドで圧倒的な動きを見せるMF樺山諒乃介(興國高1年)が縦突破からクロスを連発。山口県はGK高橋駿介(高川学園高1年)が決定的なシュートを阻止するなど食い下がっていたが、再び大阪府にゴールをこじ開けられてしまう。23分、大阪府は左サイド後方からのロングクロスにCB小澤希海(C大阪U-18、1年)が飛び込む。このこぼれ球をMF荻野元伸(G大阪ユース、1年)が右足ダイレクトで決めて勝ち越した。

 前半は押し込まれる時間帯の長かった山口県も後半に巻き返す。登録159cmと小柄ながら、大阪府に潰されることなくDFの前に強引に潜り込んで前進する杉村が攻撃の中心に。ポゼッションする時間も伸ばした山口県は、杉村や交代出場FW前田唯翔(西京高1年)の突破力を活かしてゴールへ迫る。そして、PA近くで獲得したFKからMF山崎柊人(山口U-18、1年)や松原がシュートを打ち込んだ。

 24分にはDFと競りながら強引に前に出た杉村がPAへ侵入してシュート。だが、大阪府はGK上林豪(C大阪U-18、1年)が距離を詰めて反応し、得点を許さない。その大阪府は「DFとGKと粘ってくれた」(吉田)頑張りに前線が応える。交代出場のFW李晃輝(履正社高1年)が非常にダイナミックな動きを見せるなど山口を押し返した大阪府は、アディショナルタイムに右サイドからカットインしたMF伊勢航(G大阪ユース、1年)が右ポスト直撃の左足シュート。この跳ね返りを吉田が右足で決めて勝利を決定づけた。

 例年に比べると、現時点で抜きん出ているようなタレントは少ないかもしれない。それでも大阪府は長短のパスワークや局面での連係の良さを発揮しながらチーム力で勝負。梶田監督が「逆転するのは今年の良いところ」という強さもある。攻撃的に行く分、守備のバランスを欠くシーンもあるだろうが、大阪府は今年も魅せながら勝ち上がっていく。

 日本が前日にU-17ワールドカップ出場権獲得。本気で世界を狙う選手が多い大阪府は各選手がアピールへの強い思いを持っている。その思いも力に変えて、悲願の頂点へ。吉田は「先輩たちはいつも4強に入っている。まずそこを目標にして、明日がヤマ。一戦一戦真剣にやっていかないと足元救われるので大事にしていきたい」と語り、樺山は「最高が2位なので1位しか狙っていない。チーム一丸となって1位を狙っていきたい」と力を込めた。先輩たちがあと一歩で跳ね返されてきた国体制覇を今年こそ、成し遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
●第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」特集

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