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[MOM4460]茨城県DF大川佑梧(鹿島ユース、1年)_U-16世代の注目CBが国体を通して進化。決勝で完封&ヘディング弾

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茨城県のU-17日本代表候補CB大川佑梧(鹿島ユース、1年)はかごしま国体のマスコットキャラクター、「ぐりぶー」を手に笑顔

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.16 国体少年男子決勝 茨城県 2-0 大阪府 OSAKO YUYA stadium]

 U-16世代の注目CBが、進化する大会となった。茨城県のU-17日本代表候補CB大川佑梧(鹿島ユース、1年)が、国体決勝で大阪府の強力攻撃陣を完封。加えて、貴重なヘディング弾を決めるなど、攻守両面で躍動した。

 大阪府は準決勝までの3試合で15得点。だが、大川はポジショニング良く、前への潰し、背後への対応と自分の間合いで相手の攻撃に対応する。そして、強力な個の力に加え、味方との連係でも大阪府を封じ込んだ。中でも、得点ランキング首位8得点のFW中積爲(G大阪ユース、1年)には前半だけで6本のシュートを打たれたが、こぼれ球を狙われたシーン以外は相手エースに決定打を打たせなかった。

「(中積とは)一回、代表一緒にやっていて。あれに負けたら自分自身何も無いと思ったので、絶対にあそこには点を決めさせないように。(近藤)大祐と2人で上手く守れたかなと思います。あの左足は本当に警戒してやっていたので、そこを絶対に、何が何でも止めるという気持ちで今日はやりました」

 中積の4戦連発を阻止して完封勝利。中積も「代表の時からもそうだったんですけれども、強くて、声も掛けれて、チームの指揮を上げれる選手だと思っています」と大川の力を改めて認めていた。

 その大川は、1-0の前半33分にMF中川天蒼(鹿島ユース、1年)の左CKからヘディング弾を決め今大会初ゴール。「特に今日無失点で行くとこだわっていたんですけれども、その中でも良いボールが来て、あとは本当に当てるだけで。(ゴールは)本当に久しぶりですね。ああいう苦しい状況、流れがどっちに行くか分からない状況で点を決めて、チームに貢献したかったのでそこは良かった。決勝で点を決めることなんか、なかなか無いことなので、凄く嬉しかったです」と微笑んだ。

 大川は強豪・鹿島ユースの1年生レギュラー。U-16日本代表ではキャプテンマークを巻くなど、U-16世代を代表するCBだ。守備能力の高さに加え、展開を変える左足キックも注目。赤須能尚監督(日立北高)は、逸材が国体を通してまた成長を遂げたことを説明していた。

「最近、立ち位置も良くなってきて。(以前は)一発で抜かれたりという弱さもあったけれど、最近は立ち位置でどっしりと構えて、リーダー的存在です。左足は見てもらっての通り精度の高いキックをするんですけれども、ラインのところで背後を取られなかったり、立ち位置が良いのでバチッと弾けていたり、凄く安定して、任せていた」

 今大会は高知県との初戦で不用意な失点。それが、また成長のきっかけにもなったようだ。大川は「本当無失点で行きたかったんですけれども、(近藤)大祐と2人で、(初戦後に)『次は絶対にゼロで失点しない』と話していたので、上手く1人で守れるところを守りながら、周りにも助けてもらいましたし、成長できたかなと思います」と頷いていた。

 今後へ向けては「課題は初戦の詰めの甘さの失点が本当に悔しいので、初戦とか関係なく自分は全試合無失点に貢献できるようなプレーをしていきたい。まず今年は必ずプレミア(リーグ)に上がれるように。きょう点を決めたので、点の部分でもこだわってプレミア昇格に係わっていきたい」と宣言。日本一を素直に喜んだDFは、また切り替えて、次の目標である鹿島ユースのプレミアリーグ昇格を実現する。

前半33分、左CKからヘディング弾を決めた

久しぶりというゴールに喜びを爆発させた

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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