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[MOM4461]東京都MF鈴木楓(FC東京U-18、1年)_悔しさを内に秘め、マジメに戦い続けた“裏のキャプテン”が決勝点

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後半8分、東京都MF鈴木楓(FC東京U-18、1年)が右足で決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.16 国体少年男子3位決定戦 東京都 2-1 広島県 OSAKO YUYA stadium]

 悔しさを胸に走り、戦い続けたボランチが最良の形で国体を終えた。1-1の後半8分、東京都は左CKのこぼれ球にPA内右で反応したMF鈴木楓(FC東京U-18、1年)が右足シュート。これがファーサイドのネットに突き刺さり、決勝点となった。

 鈴木は東京都の守りの要。元々CBで高校からボランチでプレーするMFは、中盤の底の位置で相手の攻撃の芽を摘むなど守備力を発揮してきた。だが、今大会初戦(対鹿児島県)のPK戦で失敗。その試合は勝利したものの、準決勝(対茨城県)で再びPKを外し、日本一の夢は潰えた。

 だが、東京都で唯一5試合フルタイム出場し、実直なプレーを続けていたMFがラストゲームで決勝点。石川創人監督(東京農大一高)も“裏のキャプテン“として、マジメにチームを陰から支え続けた男の活躍を喜んでいた。

 鈴木はゴールシーンについて、「正直、何も考えていなくて、本当に1-1でこの試合絶対に負けられなかったので、本当にこぼれ球は常に狙っていて自分のところにこぼれてきたので、あとは気持ちでゴールに押し込むだけでした。決まった瞬間は頭真っ白になって、逆転して嬉しいという気持ちと、昨日のPKの悔しさが交じって複雑な気持ちでした」と振り返る。

 この日は広島県に押し込まれる時間帯も増えていたが、主将のCB佐々木将英(FC東京U-18、1年)とCB田中玲音(東京実高、2年)とともに「会話しながらしっかりと抑えることができたと思います。前半はビルドアップがあまりできなかったんですけれども、PAでの粘り強い守備というところではチームとして揃えてできていた」と頷く。

 守備でも貢献し、攻守両面での活躍によって3位で大会を終了。「この大会、自分にとって代表の方だったり、色々な人が見ている中で本当にチャンスだと思っていたので、そこで自分を少しは表現できたのかなと思っています」と微笑んだ。

 鈴木はFC東京U-18の1年生レギュラー。今季はプレミアリーグEAST18試合中16試合で先発フル出場している。「最初は正直ボールをあんま受けたくなかった」というボランチでのプレーにも慣れ、安定した守備に加えて攻撃面でも徐々に力を発揮してきている。

 今後はチームに戻ってプレミアリーグ残留に貢献すること。「まだ自チームではプレミアリーグが数節残っていて、まずは残留というところがあるので、この大会で学んだ守備の粘り強さだったりビルドアップのところは、しっかりチームに還元してチームでも良い結果を自分が持って来れるようにしたい」と力を込めた。課題のミドルシュートなどをレベルアップし、この日のように攻撃面でも結果を残す。

「将来的にはFC東京のトップチーム昇格を目標にして、昇格した後はFC東京の中心選手になっていって、最終的にはFC東京のキャプテンマークを巻いて、リーグ優勝というところを目標にしています」。ブレずに努力を重ね、目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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