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快進撃支えた守護神、日本一富士大GK折口輝樹「試合ごとに全員が成長できた」

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守護神が日本一へと導いた

[9.10 第47回 総理大臣杯決勝 富士大2-1関西学院大 ユアテックスタジアム仙台]

 守護神と呼ぶにふさわしい活躍ぶりだった。富士大(東北2)のゴールへと迫る関西学院大(関西1)の攻撃をGK折口輝樹(4年=C大阪U-18)の好プレーが跳ね返した。後半アディショナルタイム4分にクリアボールのこぼれ球を詰められて失点を許したが、守備を統率してチームメイトを奮い立たせ、日本一のタイトルを勝ち取った。

「やられる感覚は全くしなかった」と笑顔で試合を振り返る折口。「縦を通されても、そこで前を向かせないように締めました。これまでの失点がこぼれ球に行けなくて抜けてきたのが多かったので、今日は特にそこを集中しながら中を厚めに保ちました」と技術力のある関学大に対してじれずに試合を進めた。

 東北の大学リーグではここまで攻め込まれる場面は少ない。それだけに「勝つためにみんなで頭をクリアにしながら、集中を切らさないようにやってました」と全員が勝利のために強い気持ちで戦った。

 今大会は初戦から苦しい試合が続いていた。1、2回戦はビハインドをひっくり返しての勝利。「逆転する力は持ってるんで信じながらやっていって、試合ごとに全員が成長できた」と折口が話すように、大会を通して得た手応えと自信で強豪チームを倒して勝ち上がっていった。

 C大阪U-18では高3まで試合に出られなかったこともあり、大学は「1年生から試合に出てアピールできる」という理由で富士大を選択した。その思惑通りに初年度から公式戦に出場し、東北選抜にも選出された。

 だが、3年生の後期になると出場機会を失ってしまう。それでも苦しい時期を「一番成長できた」とポジティブに捉える。持ち味のシュートストップやハイボールの処理に磨きをかけ、ゲームの中でチームに安定をもたらす働きにより気を配るようになった。支えてくれる家族のためにも、チームのためにも自分ができる最善のことをやろうと、積み重ねてきた努力が結果へと繋がった。

 東北初の全国大会優勝を成し遂げたが、チームも折口も気を引き締めて新たな目標へ向かう。プロへの道を拓くためにも、ここからが正念場だ。

(取材・文 蟹江恭代)
●第47回総理大臣杯特集
蟹江恭代
Text by 蟹江恭代

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