beacon

[JFL]長野・美濃部監督「我々は引き分けではダメ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.7 JFL第19節 横河武蔵野 0-0 長野パルセイロ 武蔵野]

 長野パルセイロは7日に行われたJFL第19節の横河武蔵野戦に0-0で引き分けた。前日に首位のカマタマーレ讃岐がFC琉球に敗れていたため、勝てば首位に立つチャンスだったが、勝ち点差を1縮めるにとどまった。チームの指揮を執る美濃部直彦監督も「選手たちには『そういう(首位に立てる)状況だから、この暑い中でどう勝って上に行くか。それとも平らなままでいるのか。あとは自分たち次第。非常に重要な試合だし、アウェーでも、こういう環境でもしっかりとやって、絶対に勝たないといけないんだぞ』と話していたんですが…」と、悔しがった。

 首位に立つチャンスを逃した。また、2試合連続でノーゴールに終わっている。それでも、ポジティブに捉えれば、この試合で11戦無敗だ。現在、長野はホームスタジアムの南長野運動公園をJリーグの基準を満たすスタジアムに回収している。その作業が早くても15年2月までかかるため、今季はJFLで優勝したとしても、Jに昇格することはできない。それでも、この1年を無駄にできないと、美濃部監督は言う。

「選手の中には、仕事をしながら選手をやっている選手も、まだまだたくさんいます。彼らがプロになったり、Jリーグに行くためには、ここで結果を出して行かないといけない」

 この試合で「あまりやりたくなかったんですけど」と話すパワープレーに踏み切ったのも、その一心からだった。

「今日の終盤にも2番の松原(優吉)を入れて、そういうサッカーをしてでも、勝たないといけないということを示そうとやったんですけど。今年、われわれは優勝しても、2位になってもJに上がれない。でも、来年は上がれる。そういう来年に向けて勝たなければいけないというところを伝えたかった。チームのやり方を変えてでも最後に勝ちに行くんだよということ。もちろん、それが一番良い方法ではなくて、もっと早くから崩して点を取れればいいのですが、そういうことをチームのメンタリティとしても覚えてほしかった」

 前期で全18試合ゴールを挙げた長野だが、ここ2試合は無得点に終わった。チームにとっての良い試練だと美濃部監督は感じているようだ。

「後期に入って、相手が守備的になって守ってくるチームが多くなっている。そこをこじ開けなければいけませんが、ブロックの前でボールを回していても、なかなか破れない。速攻とポゼッションの使い分けであったり、バイタルと背後の使い分け。そういう戦術にも幅をつけてやってきたつもりだが、その局面で選手が良い判断をしてくれれば、チャンスはできると思う。でも、いいんじゃないですか。こういうのを味わって乗り越えていくことに成長があると思っているので。相手が引き分けでも良いと思っていても、我々は引き分けではダメだと常にプレッシャーを感じて戦っていく。そうしないと来季は勝てない。そういう意味では良い経験ができていると思います」

 すべては来シーズン、J昇格という目標をつかむために。今季のうちから美濃部監督は、チームに勝者のメンタリティをしっかりと植え付けていく。
(取材・文 河合拓)
▼関連リンク
JFL2013特集ページ

TOP