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J2愛媛契約満了から半年無所属…お京都MF清川流石がJFLへの望みつなぐ豪快弾「ピッチで味わった悔しさはこの場所で」

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MF清川流石(左から2人目)

 おこしやす京都ACは28日、JFL入れ替え戦出場権をかけ、全国地域チャンピオンズリーグ決勝ラウンド最終戦に臨む。改称前のアミティエSC京都時代から数えると、決勝ラウンド挑戦は3回目。今大会1勝1分のFC.ISE-SHIMAに勝利すれば、“3度目の正直”が成し遂げられる。

 初戦では関東王者のCriacao Shinjukuに0-1で敗れたが、第2戦ではFC徳島に2-0で勝利。FC徳島戦では初戦と同様に0-0の時間が長く続き、嫌なムードも漂ったものの、優勢を手繰り寄せたのは後半14分から途中出場したMF清川流石の一発だった。

 0-0で迎えた後半30分、FW原一樹からのパスを受けた清川はカットインから右足を一閃。強烈なミドルシュートを突き刺した。相手が退場者を出したこともあり、構築してきた守備ブロックをこじ開けての一撃。「相手も1枚少ない状況で誰かが点を取るしかなかったので思い切って振ってよかった」と笑顔で語った。

 1996年生まれの清川は愛媛FCアカデミー出身。びわこ成蹊スポーツ大卒業後の19年にはトップチームに返り咲き、20年にはJ2リーグ戦16試合に出場した実績を持つ。ところが同年末に愛媛を契約満了。半年間にわたるチーム探しの末、今年8月におこしやす京都にやってきた苦労人だ。

「僕はなかなかチームが決まらない中、サッカーをできない苦しい時間があったので、そういう思いを表現していかないといけない。ピッチで味わった悔しさはこの場所で返さないといけない。人一倍そういう思いは強い」。

 おこしやす京都加入後も出場機会は限定的。それでもチームに順応できるよう奮闘し、この日は途中出場から結果を出した。

「干されていたわけじゃなく、チームのやりたいことと僕がイメージしていたことをすり合わせる期間だった。出られていない時間も外から見ていて、こういうプレーをしたらこの選手はこう活きるなということを勉強するような期間だった」。

 加入以降の日々をそう振り返った25歳は、苦しい半年間の浪人生活をも「今日ここで結果が出て、無駄じゃなかった」と誇った。

 もっとも、今大会は道半ば。28日に行われる最終節のFC.ISE-SHIMA戦に勝利しなければ、JFL入れ替え戦の挑戦権は得られない。

 今大会初めて日曜日の開催となるため、味の素フィールド西が丘には多くのサポーターも来場予定。清川は「ピッチの上で全員がハードワークして勝ち点3を取りに行くだけ。サポーターの皆さんの存在も僕らの背中を押してくれる」と力強く意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)

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