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[総体]草津東撃破の比叡山が大勝で初の全国に王手!:滋賀

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[6.6 全国高校総体滋賀県予選準決勝 比叡山5-1膳所 布引運動公園陸上競技場]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技滋賀県予選の準決勝が6日、布引運動公園陸上競技場で行われた。比叡山が膳所に5-1で勝利した。初の全国進出がかかった決勝(対野洲)は8日、同会場で行われる。

 準々決勝でかつて全国高校選手権で準優勝した実績を持つ強豪・草津東を撃破した比叡山。MF藤林拓哉主将(3年)は「この2戦ギリギリで勝ってきているんで、この試合はチームが緩んでしまって、難しいゲームになるかと思っていた」と口にしていたが、蓋を開ければ一方的な比叡山ペースで試合は進んでいく。「いつも通りの事をきちっとやってくれた事が収穫。練習から特に意気込んでいるわけでもなく、物凄く不安というわけもなく、準々決勝で草津東に勝ったわりにはいつも通りに出来た」と早崎義晃監督代行が称えたように、序盤から平常心を保ち、前線から果敢な守備を遂行。ボールを奪ってからは藤林を基点に上坂元氣(3年)、赤松弘啓(2年)の両サイドMFに1トップの井上翔一朗(3年)が相手DFの背後をシンプルに狙っていく。守備陣もMF福嶋岳(3年)と稲富健太(2年)らがサイドから仕掛ける膳所の攻撃を、DF間島達也(3年)を中心に冷静に抑えこむ。

 スコアが動いたのは、前半29分。DF水崎達郎(3年)が蹴った右CKをファーサイドの間島が頭で中へと折り返し、ゴール前に入ったボールを落ち着いて藤林が右へ流すと、最後は井上が混戦から押し込んで比叡山が先制する。

「膳所も集中力のある良いチームなので、粘りの所で負けないようにいう事と、サッカーの内容では五分五分になると思っていたので、リスタートを狙っていこうと伝えていた。ウチのメンバーは大きい選手が多いので、セットプレーはチャンス。上手く生かしてくれてよかった」と早崎監督代行が振り返ったように、比叡山は33分にも左CKを間島がヘッドで合わせて追加点を奪うと、35分にも右CKを間島、藤林と繋いで3点目をゲットして前半を終える。

 後半に入ってからも勢いは止まらず。「新人戦負けた後に、比叡山を95本、5時間かけて走ったり、走りこみをした効果が出たと思う。全員で前からしっかり終えたのが良かったかな」と藤林が胸を張ったように、後半も1点を狙う膳所を上回る走力を発揮する。17分にはMF中濱脩人(3年)のパスから赤松が、35分にも中濱のパスから水崎が決めて勝負あり。アディショナルタイムに膳所MF松田尚也(3年)に1点を返されたが、ほぼ完璧と言える内容で大きな1勝を掴んだ。

 比叡山といえば、甲子園出場7回を誇る野球部が有名だが、サッカー部も3年前から推薦を取り入れ、強化を図ってきた。強化初年度に入学した3年生の多くが昨年から主力を張っており、「去年から出ている選手も多くいるので、連係が良く取れている。縦のラインがしっかりしているし、勝負の年ではあると思う。チャンスが巡ってきたので、後は全力を尽くして全員で戦うしかない」と早崎監督代行も語尾を強める。「失う物は僕らには何もない。野洲は強いと思うけど、僕らのサッカーをやれば勝てると思う」。そう言い切った藤林の言葉は頼もしかった。

[写真]前半35分、比叡山は貴重な3点目を決めた藤林をチーム全員で祝福

(取材・文 森田将義)
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