[総体]新生・滝川二が神戸弘陵に4発逆転勝ち!地元開催の全国総体出場権獲得!!:兵庫
[6.5 全国高校総体兵庫県予選準決勝 神戸弘陵高 1-4 滝川二高 アスパ五色メイングラウンド]
今夏兵庫県内で開催される平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技への出場権2枠を懸けた兵庫県予選の準決勝が5日に行われ、2年連続の全国総体出場を狙った神戸弘陵高と2年ぶりの全国を目指す滝川二高との一戦は、滝川二が4-1で逆転勝ち。滝川二は、同じく準決勝で神戸高に勝利した三田学園高とともに、開催地代表として全国総体に出場することが決まった。
「前半から飛ばして。代わりの選手もいっぱいいるから前からしっかり行こうといっていた」。ゲーム主将のMF田中聖也(3年)がそう振り返ったように、滝川二は高いディフェンスラインから前線の選手がフルスロットルでのハイプレスを敢行。FW横浪直弥(3年)が鋭いプレスから相手のキックをチャージしたほか、それを掻い潜ってボールを縦に入れた神戸弘陵の攻撃を右SB谷田想太朗(3年)が高い位置でインターセプトするなど、序盤からアグレッシブなサッカーを展開する。
一方の神戸弘陵も最前線のFWベハラノ・ナオキ(3年)から連動した守備で滝川二にチャンスをつくらせない。そして、攻撃ではキープ力に長けた10番MF入谷子龍(3年)とMF下山祥志(3年)のコンビネーションで相手DFを外して大きな展開を入れるなど、サイドの深い位置までボールを運んでクロスまで持ち込もうとする。互いに気持ちの入った試合は不用意なミスもなく0-0のまま進んだが、25分に神戸弘陵が先制した。右サイドから斜めにボールを運んだMF谷後滉人(2年)のスルーパスでベハラノが完全に抜け出し、GKとの1対1から右足シュートをゴールへ流し込んだ。
だが、1年時から滝川二の主力を担うMF持井響太(2年)が「先制されても、自分たちのサッカーをすれば勝てると思っていた。焦る必要はなかったし、焦ってはいなかったです」という滝川二はすぐに奪い返す。29分、右スローインから右サイドの深い位置でボールを受けた田中が中央へ持ち出し、インターセプトしようとしたDFを足先のコントロールでかわして中央へ。カバーに入ったDFと入れ替わるように出されたラストパスをファーサイドでフリーの持井が左足でゴールへ流し込んだ。
「インターハイは2試合目と3試合目が怪我で出れなくて準々決勝も5分しか出れなくてチームに迷惑をかけていた。きょう出れて、少し貢献できたので良かった」という持井の同点弾。さらに滝川二は34分、田中のインターセプトからボールを受けたMF結城達磨(3年)が間髪入れずにミドルレンジから右足を振りぬく。決して強い当たりではなかったが、コースを突いた一撃がゴール左隅へ吸い込まれて2-1となった。
その後も田中がカットインからポスト直撃のシュートを放つなど攻める滝川二は後半3分、谷田のラストパスを田中が決めて3-1。さらに10分には横浪がファインゴールを決めて3点差とした。思うような攻撃ができなかった神戸弘陵もFW河田奨平(3年)がクロスバー直撃のシュートを放つなど反撃したが、滝川二は交代出場したDF福本寛将主将(3年)や田中を中心とした全員サッカーで全国切符を勝ち取った。
就任1年目の滝川二・松岡徹監督は「一体となって上手くはないですけど、良く走った。勢いと運があったというのが正直なところです」と微笑。松岡監督がBチームを指導していた頃から、相手のSBに強いプレッシャーを入れることなど取り組んできたことが大一番で発揮されたが、指揮官はまだまだ精度、技術の向上が必要と指摘する。課題は多いが、松岡監督からの声がけで選手たちは奮い立っていた部分があった。滝川二は新人戦準決勝で三田学園に0-3で完敗。現3年生のみで戦った試合は名門にとって屈辱的な敗戦となった。この日の準決勝で神戸弘陵に勝てば、決勝で三田学園に雪辱するチャンスが生まれてくる。「その時は3年生だけでもう1回行く」という指揮官からのメッセージ。田中は「決勝に向けてということを考えていた。新人戦で三田学園に0-3で負けていたので、これ(準決勝)は通過点として頑張って行こうと考えていました」。もちろん、勝てば全国大会に出場することができる。だが選手たちは、それ以上に悔しい敗戦を喫した相手に雪辱することを考えていた。そして見事に勝利して雪辱のチャンスを勝ち取った。
毎年恒例でチームの一文字を掲げている滝川二の今年の一文字は「祭」。全国出場を決めた試合後は松岡監督が指摘している中でも選手たちは笑顔だったという。「雰囲気のところは良くとればいいんですけど・・・・・・」と苦笑するが、普段から明るいムードを持つチームは決勝で三田学園に雪辱し、自慢の運動量と勢いを持って全国でも大暴れするつもりだ。田中は「入学前から兵庫インターハイということを松岡先生から聞いていた。まだインターハイで優勝したことがないので、兵庫インターハイで滝二が初優勝するということをしたい」。地元開催の全国総体で名門にかかる期待は大きいだろうが、10年度の全国選手権に続く頂点へ全員で挑戦する。
[写真]前半34分、勝ち越しゴールを決めた滝川二・結城(中央)が喜びを爆発
(取材・文 吉田太郎)
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今夏兵庫県内で開催される平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技への出場権2枠を懸けた兵庫県予選の準決勝が5日に行われ、2年連続の全国総体出場を狙った神戸弘陵高と2年ぶりの全国を目指す滝川二高との一戦は、滝川二が4-1で逆転勝ち。滝川二は、同じく準決勝で神戸高に勝利した三田学園高とともに、開催地代表として全国総体に出場することが決まった。
「前半から飛ばして。代わりの選手もいっぱいいるから前からしっかり行こうといっていた」。ゲーム主将のMF田中聖也(3年)がそう振り返ったように、滝川二は高いディフェンスラインから前線の選手がフルスロットルでのハイプレスを敢行。FW横浪直弥(3年)が鋭いプレスから相手のキックをチャージしたほか、それを掻い潜ってボールを縦に入れた神戸弘陵の攻撃を右SB谷田想太朗(3年)が高い位置でインターセプトするなど、序盤からアグレッシブなサッカーを展開する。
一方の神戸弘陵も最前線のFWベハラノ・ナオキ(3年)から連動した守備で滝川二にチャンスをつくらせない。そして、攻撃ではキープ力に長けた10番MF入谷子龍(3年)とMF下山祥志(3年)のコンビネーションで相手DFを外して大きな展開を入れるなど、サイドの深い位置までボールを運んでクロスまで持ち込もうとする。互いに気持ちの入った試合は不用意なミスもなく0-0のまま進んだが、25分に神戸弘陵が先制した。右サイドから斜めにボールを運んだMF谷後滉人(2年)のスルーパスでベハラノが完全に抜け出し、GKとの1対1から右足シュートをゴールへ流し込んだ。
だが、1年時から滝川二の主力を担うMF持井響太(2年)が「先制されても、自分たちのサッカーをすれば勝てると思っていた。焦る必要はなかったし、焦ってはいなかったです」という滝川二はすぐに奪い返す。29分、右スローインから右サイドの深い位置でボールを受けた田中が中央へ持ち出し、インターセプトしようとしたDFを足先のコントロールでかわして中央へ。カバーに入ったDFと入れ替わるように出されたラストパスをファーサイドでフリーの持井が左足でゴールへ流し込んだ。
「インターハイは2試合目と3試合目が怪我で出れなくて準々決勝も5分しか出れなくてチームに迷惑をかけていた。きょう出れて、少し貢献できたので良かった」という持井の同点弾。さらに滝川二は34分、田中のインターセプトからボールを受けたMF結城達磨(3年)が間髪入れずにミドルレンジから右足を振りぬく。決して強い当たりではなかったが、コースを突いた一撃がゴール左隅へ吸い込まれて2-1となった。
その後も田中がカットインからポスト直撃のシュートを放つなど攻める滝川二は後半3分、谷田のラストパスを田中が決めて3-1。さらに10分には横浪がファインゴールを決めて3点差とした。思うような攻撃ができなかった神戸弘陵もFW河田奨平(3年)がクロスバー直撃のシュートを放つなど反撃したが、滝川二は交代出場したDF福本寛将主将(3年)や田中を中心とした全員サッカーで全国切符を勝ち取った。
就任1年目の滝川二・松岡徹監督は「一体となって上手くはないですけど、良く走った。勢いと運があったというのが正直なところです」と微笑。松岡監督がBチームを指導していた頃から、相手のSBに強いプレッシャーを入れることなど取り組んできたことが大一番で発揮されたが、指揮官はまだまだ精度、技術の向上が必要と指摘する。課題は多いが、松岡監督からの声がけで選手たちは奮い立っていた部分があった。滝川二は新人戦準決勝で三田学園に0-3で完敗。現3年生のみで戦った試合は名門にとって屈辱的な敗戦となった。この日の準決勝で神戸弘陵に勝てば、決勝で三田学園に雪辱するチャンスが生まれてくる。「その時は3年生だけでもう1回行く」という指揮官からのメッセージ。田中は「決勝に向けてということを考えていた。新人戦で三田学園に0-3で負けていたので、これ(準決勝)は通過点として頑張って行こうと考えていました」。もちろん、勝てば全国大会に出場することができる。だが選手たちは、それ以上に悔しい敗戦を喫した相手に雪辱することを考えていた。そして見事に勝利して雪辱のチャンスを勝ち取った。
毎年恒例でチームの一文字を掲げている滝川二の今年の一文字は「祭」。全国出場を決めた試合後は松岡監督が指摘している中でも選手たちは笑顔だったという。「雰囲気のところは良くとればいいんですけど・・・・・・」と苦笑するが、普段から明るいムードを持つチームは決勝で三田学園に雪辱し、自慢の運動量と勢いを持って全国でも大暴れするつもりだ。田中は「入学前から兵庫インターハイということを松岡先生から聞いていた。まだインターハイで優勝したことがないので、兵庫インターハイで滝二が初優勝するということをしたい」。地元開催の全国総体で名門にかかる期待は大きいだろうが、10年度の全国選手権に続く頂点へ全員で挑戦する。
[写真]前半34分、勝ち越しゴールを決めた滝川二・結城(中央)が喜びを爆発
(取材・文 吉田太郎)
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