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セットプレーから2ゴール。名経大高蔵が2度目のインハイで全国初勝利!!

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名経大高蔵高が全国初勝利
(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.26 総体1回戦 大成高 1-2 名経大高蔵高 南城陸上]

 名経大高蔵が全国初勝利! 令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」サッカー競技(男子)の1回戦が26日に行われ、大成高(東京2)と名経大高蔵高(愛知)が対戦。セットプレーから奪った2ゴールによって、名経大高蔵が2-1で勝利した。

 初出場となった2年前のインターハイは立正大淞南高(島根)に0-1で敗戦。「やることをやれば結果はついてくる」(島井雅也監督)と考えるのが、名経大高蔵の流儀であるため、練習でも勝利という言葉を口にしてこなかったが、全国大会初勝利の味は一味違う。「やっぱり1勝できたのは嬉しい」とは試合を終えた直後に発した島井監督のコメントだ。

 要所でテクニカルなプレーを見せることができたのも喜びを膨らませる。この日の試合も立ち上がりから、MF岩松虎徹(2年)と深津佑太(1年)のダブルボランチを中心にテンポよくパスを繋ぎ、ゲームをコントロール。相手が食いついてきたタイミングでDFの背後を狙い、FW辻聖羽(3年)やDF花木駿也(3年)が大成ゴールに迫った。自らのペースで試合を進めると、15分には左CKの流れからPKを獲得。辻が冷静にゴールネットを揺らし、名経大高蔵が先制した。

 対する大成は「守備のチームなのでクーリングブレイクまでにもっと前から守備をしたかった。『前から行くぞ』とミーティングで話していたのに重心が後ろになっていた」(豊島裕介監督)。「早めに先制したことで向こうのサッカーを受けてしまった」(島井監督)名経大高蔵の事情も相まって、前半の半ばからは前からプレスに行く回数が増加。ボール奪取からFW杉田健(3年)と平川優大(3年)が推進力を活かし、見せ場を作った。32分には、ロングフィードから平川がゴール前に抜け出し、ゴールを狙ったが、相手DF沢田一颯(3年)に阻まれ、名経大高蔵リードで前半を終えた。

 後半も最初に見せ場を作ったのは、名経大高蔵だった。序盤から相手エリアで試合を進めると、6分に右CKを獲得。「対策をする中でニアが空くかなと思っていた」(島井監督)通り、岩松がニアに入れた低いキックをMF小崎俊貴(2年)が頭で合わせた。2点目を奪ってからは後がなくなった大成に押し込まれる場面が増えたが、沢田らDF陣が冷静に対処。34分、MF宮脇茂夫(3年)にクロスバー直撃弾を打たれ、35+6分にはFW尾崎元(2年)に1点を返されたが、タイムアップ。島井監督は「最後の失点が余計」とこぼしたが、評価に値するゲームだったと言える。

 名経大高蔵は、岩松が「最強世代」と評するように、初出場となった2年前の方が個々のタレント力は高かった。しかし、今年はテクニカルな2年生とフィジカルに恵まれた3年生が融合し、また違った魅力を秘めている。元々選手同士の仲が良く、チームの雰囲気も良好だったが、全国初勝利を機に更に良くなっていくのは間違いない。島井監督は、「今大会は全国のチームを相手にどれだけできるかが楽しみ」と自信を覗かせる。2回戦の五條高(奈良)でも高蔵らしさが出せれば、2度目の歓喜に沸く可能性は高いはずだ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2019

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