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SH転向数か月でプリンス関東得点ランク首位。前橋育英MF渡邊亮平はゴールで道切り開く

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ゴール量産中の前橋育英高MF渡邊亮平

 ボランチとしての可能性に危機感を抱いていたMFが、サイドハーフのポジションでブレイクしている。前橋育英高(群馬)のMF渡邊亮平(3年=ジョカーレFC出身)は今季、プリンスリーグ関東で得点ランキング首位の7得点。身長は175cmほどで特別なサイズやスピードがある訳ではない。だが、コーチ陣が「要領がいい」と表現するするMFは、得点の匂いを嗅ぎ分け、強みであるヘディングの上手さなどを駆使してゴールを量産している。

 渡邊はインターハイ予選でも準決勝まで3戦連発を記録するなどチームトップの5ゴール。現在の姿を「全く想像できていなかったです」と微笑む。元々はボランチ。だが、ボールを動かす力に課題があり、MF徳永涼とMF根津元輝の2年生コンビが台頭がしていたこともあって「ボランチでは出れないなと思っていた」。

 今年1月、SHのポジションでテストされたニューバランスカップで信頼を得た渡邊は、同3月の時之栖チャレンジカップ・青森山田高戦でSHとしての自分に自信を持てるようになったという。

 4月のプリンスリーグ関東開幕戦こそボランチとして先発したものの、翌節からはSHに定着。本職ではないポジションでのプレーにも抵抗はなかった。気持ちを切り替えて、「SHで自分に何ができるんだろうと考えた」。名将・山田耕介監督からも期待されていたヘディングの強さを活かし、ゴールキックをそらすことなどからスタート。ゴール前の細かなポジション取りにもこだわり、ゴールを連発した渡邊は先発定着を果たしている。

 ボランチ時代はミスで落ち込んでしまうこともあったというが、SHや前線でプレーする現在はミスがあっても自分から切り替えてプレーすることを心掛けた。それも好結果をもたらす要因に。「(チームメートや中学時代の友人たちも)びっくりしていますね。『なんで、そんなに点取られるんだ』と」と頬を緩ませる。

 渡邊はゴールで道を切り開いてきた選手でもある。中学時代は千葉市トレセンに入っていたものの無名。「育英に入りたいという気持ちが強くて、練習参加して入らせてもらった」。当時の渡邊は、ジョカーレFC(千葉)で最も得点を獲るボランチ。前橋育英の練習会でもゴールを決めたことでチャンスを掴んだと考えている。

 前橋育英進学後も、「(コーチに)ボランチでもゴールを決めるようになれと言われていた」。その意識を持ち続けてきたことで飛躍。インターハイでも5得点、それ以上の得点数が目標だ。「自分の特長である決めるところや、ストロングポイントのヘディングでチームに貢献したい」。憧れは日本代表FW南野拓実や鹿島の新星MF荒木遼太郎。彼らのようにゴール前で輝くフィニッシャーが、全国でもゴールを連発する。
 
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(取材・文 吉田太郎)
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