beacon

[MOM3866]佐賀東GK松雪翔吾(3年)_主将の自覚、責任感、プライドも力にゴール死守

このエントリーをはてなブックマークに追加

佐賀東高GK松雪翔吾主将が優勝を喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.2 インターハイ佐賀県予選決勝 佐賀学園高 0-1 佐賀東高]

 キャプテンマークによって増した自覚、責任感、そしてプライド。佐賀東高は、インターハイ佐賀県予選決勝でシュート数7-14と苦戦を強いられたが、GK松雪翔吾主将(3年=鳥栖西中出身)がファインセーブを連発し、劇的勝利を果たした。

 松雪は前半13分、コースを突いた佐賀学園高MF山口凌弥(3年)の右足シュートを横っ飛びでビッグセーブ。「ファインセーブで自分的にも、チーム的にも流れに乗れれば良いと思ったので、しっかり自分が集中して身体を張ってプレーしました」という松雪は、後半開始直後にも至近距離からMF鮎川璃空(3年)に放たれたヘディングシュートに反応し、ゴール外へ弾き出した。

 スピードに自信を持つ守護神は、相手に触れられれば1点というシーンも飛び出してクリア。この日はDFラインを崩されるシーンが増え、1対1のピンチを迎えるシーンもあったが、枠に打たせず、またキャッチングも安定していた。

 思うような攻守ができない中、松雪中心に無失点を続けたからこそ生まれた後半アディショナルタイムの1点。蒲原晶昭監督は「GKが防いでくれたかな」と讃え、佐賀学園高の大家裕司監督も松雪に決定機を阻まれたことを残念がっていた。

 松雪は「キャプテンとしてチームを勝たせたいという思いがあったので、それが結果に繋がったかなと思います」と微笑。常に無失点を目標に掲げ、インターハイ予選は5試合中4試合を無失点で終えた。

 スピードを活かした守備範囲の広さやハイボールのキャッチングを特長とする松雪は、昨年から名門校のゴールを守る。「去年はまだ2年生だったので3年生に頼っている部分があったんですけれども、最上級生になって、しかもキャプテンなので、自覚や責任感、プライドは高まったと思います」。練習から声でチームを集中させることを意識。強いリーダーシップで佐賀東を引っ張っている。

「親からの影響で、自分がリーダーシップを取れば周りも付いてきてくれると言われたので」と松雪。主将ではなかったという中学時代も積極的にチームをまとめることを意識していたという。佐賀東では1年時から学年リーダーに。現在はこれまで取り組んできたことを続ける形で強いリーダーとしてチームを引っ張っている。

 目標の全国ベスト8を達成するためには、もっともっとチーム間でコミュニケーションを取らなければならないという考え。「ここで気を抜かずに全国、九州があるのでそこにベクトルを向けてチームとしてもっと戦っていきたい」と語るリーダーがチームをより良い方向へ向かわせ、試合では責任感ある主将として、守護神としてゴールを守り抜く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

TOP