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[MOM3905]関西大北陽MF福場壮洸(3年)_打つ前に「これは入ったな」と“確信”。興國沈めた65mのスーパーゴール

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前半7分、関西大北陽高MF福場壮洸(4番)が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.11 インターハイ大阪府予選準決勝 関西大北陽高 1-0 興國高]

「(あの距離のシュートを)狙ったことはないんですけれども、僕はキックが武器の選手なのでボールを持った時は常にゴールを見ているんですけれども、今日は自分がボールを持った瞬間に『これは入ったな』という実感が湧いたのでもう蹴りました」

 タレント軍団・興國高を沈めた約65mのスーパーゴール。関西大北陽高MF福場壮洸(3年=千里丘FC出身)はボールを持った瞬間にゴールを確信していたのだという。自陣センターサークルからさらに後方。右足によって振り抜かれたボールはGKの頭上を越えて1バウンドし、そのままゴールネットに吸い込まれた。

 ただ、ゴール方向へ思い切り蹴って決めたラッキーゴールではない。福場がキック測定で残している成績はノーバウンドで65m。ただし、思い切り蹴って高い弾道で蹴ってしまうと、1バウンドしてゴールを越えてしまう可能性がある。

 だからこそ、「ボールの跳ね方がわからなかったんで低めのボールを意識した」。瞬時にそこまでを想定し、意図的にライナー性のボールを蹴って決めた65m弾だった。「キックを使い分ける技術というのは朝練で凄く練習していた部分なので、自分の誇りです、あのゴールは」。ポストに当たったりすることを想定して、味方のFWもゴール前までスプリント。そのことが「全員で取ったゴール」とまた福場を喜ばせた。

 一緒にトレーニングをしてきたGK野津照太郎(3年)は、その一撃に特別な驚きを感じなかったようだ。「彼ならやると思っていました。(関西大北陽で)彼を超えれるようなキックを持っている人は誰一人いない。誰よりもキックの練習をしていて自分の理論を持っていて。(えらいことをやった、というよりも)やっぱコイツ、やりおったなと、という感じです」。才能を磨き続けて決めたゴールでもあった。

 183cmの大型ボランチは先制点後、守備意識高くプレー。良い形でボールを奪えばショートカウンターから2点目を目指した。追加点を奪うことはできなかったが、チームメートとともに体を張り、集中力を切らさずに1-0で勝利。全国大会出場を決めた。
 
 関大北陽進学後、意識的に技術面やフィジカル面を鍛えてきたが、「まだまだ足りないので。目標とする選手は定めていないけれど、色々な選手のプレーを見て要所要所、特長を拾って盗んで伸ばしていきたい」。ここからインターハイまでの1か月で「(チームの)伸びはスゴイものになると思う」と語るボランチは、そのチームの中でともに成長を遂げて全国大会に臨む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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