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苦しい時間帯に奪って、運んで、繋いで…静岡学園の大型MF福地瑠伊が陰の立て役者に

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静岡学園高MF福地瑠伊(3年=清水エスパルスジュニアユース)が優勝の“陰の立て役者”に

[6.4 インターハイ静岡県予選決勝 静岡学園高 2-1(延長)清水桜が丘高 エコパ]

 劇的勝利でインターハイ切符獲得。静岡学園高優勝の陰の立て役者は、MF福地瑠伊(3年=清水エスパルスジュニアユース)だった。大型のインサイドハーフは、1点をリードされた苦しい時間帯に運動量を増やして右へ、左へ。そしてボールを奪い、運び、繋ぎ、相手の守りをこじ開けに行った。

 延長前半1分には、1タッチのパスをFW神田奏真(3年)へピタリとつけて決勝点を演出。川口修監督は「彼の課題は点を取れない。最後のボックスの中で力が足りない」と厳しい評価をする一方、この日の彼の活躍を賞賛していた。

 両手でフレームの型を表現しながら、「画面、こうしたら常に福地がボールに絡んでいる。守備をしている。そこが彼の良さで、ボックスの中でもうちょっと力を発揮できれば非常に良い選手になる。ミスも少ない。最後のところは足りないですけれども、今日は彼が非常に利いていた」と高評価していた。

 その言葉に対し、福地は「自分のそれが仕事というか、苦しい時とか(神田)奏真とかと連係しながら、その前の繋ぎ役になることが自分の仕事なので。そこは今日しっかりできたかなと思っています」。昨年までは主にボランチで先発。今年はポジションが一つ前に上がったことでより自分の強みを発揮している印象だ。

 コンバート当初は内側の決まった位置取りしかできなかったというが、試合を重ねながら慣れてプレーエリアを広げている。「攻撃のところで自由に動けるのが自分の一個ポイントで、左サイド行ったり、逆サイドに行ったりしてボールサイドに係わりながらやるというのが今年取り組んでいるところ。(今日も)それが出せたと思います」と胸を張った。

 ダイナミックな動きと1タッチパスなどの繊細さを兼ね備えた大器。ここから上のステージに行くためには、課題を改善しなければならないと考えている。「ゴール前の質と得点を取る力。この先やっていく中で重要になっていくと思うし、今日みたいに奏真やサイドハーフの選手がマークを受けた時に自分とか中盤の選手が点を取れればもっと楽に試合が運べると思うので」。世代トップレベルのタレントだが、「まだまだ足りないところばかり」と自分の力を過信していない。自分がもっとレベルアップして仲間を助け、高校年代3冠という目標達成に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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