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静岡学園GK中村圭佑主将が静岡決勝でビッグセーブ。「チームを救えるプレー」増加中の守護神は活躍続けてプロ、代表へ

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後半28分、静岡学園高のGK中村圭佑主将(3年=FC東京U-15むさし出身)がゴールラインすれすれでボールをかき出す

[6.4 インターハイ静岡県予選決勝 静岡学園高 2-1(延長)清水桜が丘高 エコパ]

「チームも日本一になって自分も日本一のGKになりたいと思っているので、頑張っていきたい」。静岡学園高のGK中村圭佑主将(3年=FC東京U-15むさし出身)は、激闘を制したインターハイ静岡県予選決勝後、日本一のGKになることを宣言した。

 U-18日本代表候補、U-17日本高校選抜に名を連ねる注目守護神は、自らの力でその挑戦権を勝ち取った。決勝の前半は被シュートゼロ。後半、前へのパワーをかけてきた清水桜が丘高の速攻を受け、24分にクロスを通されて失点してしまう。

「無失点で全国」への思いを持っていた中村だが、ここで気持ちを引き締め直す。「2点目を取られたら多分負けていたので、そこは気持ちで行けたと思います」。その守護神は後半28分、チームを救うビッグセーブを見せた。

 FKからクロスバー直撃のシュートを放たれた。この跳ね返りを相手MF瀧怜真(2年)に頭で狙われ、ボールはゴール方向へ。中村は1本目のシュートに反応した際に体勢を崩していたが、すぐに起き上がり、ゴールラインすれすれでボールを左手でかき出す。

「最近、そういう練習もしていたので、結果に出たと思います」と中村は振り返る。続くシュートを右SB泉光太郎(3年)がクリアしてくれたこともあり、大ピンチを阻止。この後のピンチも含めて2点目を許さなかったことが、逆転勝ちに繋がった。

 川口修監督は中村の成長を認める。「やりながら凄く成長していて、(今までの)彼の中ではビッグセーブが少なかったです。きょうも1本ありましたけれども、最近、ああいうところが出始めてきている。GKってチームを救えるプレーができるかどうか。ハイボールとか繋ぎは結構良いレベルにある。勝負強く1対1を止めれる力だったり、リーダーシップも非常についてきている」。昨年から名門校のゴールを守り、評価されてきた一方、チームを勝たせるようなセーブが少なかったことは確か。それが今年はプレミアリーグ含めてチームを勝たせるようなビッグプレーを増やしている。

 6月のU-19日本代表フランス遠征メンバーはU-18世代中心。同じ高校3年生ではライバルのGK小林将天(FC東京 U-18)やGK濱崎知康(川崎F U-18)が選出されている。「悔しいですけれども、チームで活躍していたら自然に呼ばれるようになってくると思うので、まずはチームのために自分の全力を出したいと思っています」。高卒でのプロ入りへの挑戦も継続。高校年代3冠を掲げる守護神は、白星とビッグセーブを重ねて自身の評価も勝ち取る。


(取材・文 吉田太郎)
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