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[MOM4317]大津MF古川大地(3年)_「自分の仕事」「他にないものを表現」。ドリブル、クロスで得点もたらしたアタッカーは飛躍の夏に

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大津高MF古川大地(3年=大分トリニータU-15宇佐出身)は熊本決勝で3得点に絡む活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.7 インターハイ熊本県予選決勝 大津高 5-0 ルーテル学院高 えがおS]

 チームメートの注目プレーヤーたち以上のプレーができると信じている。大津高MF古川大地(3年=大分トリニータU-15宇佐出身)は、貴重な2点目を叩き出すなど3得点に絡む活躍。熊本決勝で躍動した。

 この日、大津は準決勝とシステム変更。古川は得意とする左SHではなく、右SHとして先発した。だが、「与えられたところでチームのために」と語るサイドアタッカーは、立ち上がりから攻撃の中心に。右サイドからのドリブル、コンビネーションで攻略してチャンスメークし、CKを獲得していた。

 先制して迎えた前半20分には、右サイドからカットインして左足クロス。「枠に飛ばすことを意識して、(味方が)触らなくても入ることは狙っていた」というボールは相手GKの頭上を越えてファーサイドのネットへ吸い込まれた。

 後半27分の3点目も、CKのこぼれを拾い、右サイドから「枠の方に飛ばしながら、誰かに触って入るような」左足クロスを上げて相手オウンゴールを誘発。そして、後半途中から左サイドへポジションを移して迎えた29分には、MF本間至恩(クラブ・ブルージュ)らを参考に磨いてきた得意のドリブルで相手DF陣を翻弄し、PKを獲得した。

「仕掛けて剥がした時はPKを取れる自信がある。自分の武器がドリブルで仕掛けて1枚剥がしたり、人と違い作ってチームに貢献したり、そういうところが自分の仕事だと分かっている」。今大会は初戦、準々決勝でPKを獲得しており、4試合中3試合でPKを獲得。前日の準決勝でチームの貢献できなかった悔しさ、サイド攻撃の中心としての責任感も決勝での大活躍に結びつけた。

「大津はサイド攻撃が武器なので、去年まで(先輩たちのプレーを)見てきたものを活かしながら、それを自分に取り入れて自分のプラスアルファして、他にないものをこのピッチで表現する。他にないものを表現するのは一番この試合の入りも意識してやっていたので、そこで一つ違いを出して、一枚剥がしてPKだったり、クロスで得点だったり、そういうところでチームに貢献するのが仕事だと思っているので仕事ができて良かった」

 新人戦では、ともに日本高校選抜候補合宿参加中だったMF碇明日麻(3年)とDF田辺幸久(3年)が不在だった準決勝で、新興勢力の慶誠高に敗戦。連覇を5で止めてしまった。「そこで勝ちきれなかったのは自分の実力不足。練習している時も慶誠戦のことを思い返してやっていた」。不足していたのはゴールへ向かう姿勢と結果を出す力。シザースを交えたドリブル、クロス、シュートでチームを引っ張れるように、勝たせられるようにトレーニングを重ねてきた。

 その成果をインターハイ予選で発揮した古川は、全国舞台での活躍を誓う。「インターハイも1試合通して自分だけを見てもらえれば、本当に注目されている(碇)明日麻や田辺よりも自分の方ができると思っているので、常に自信を持ってプレーしていきたい」。全国舞台でも躍動する自信あり。謙虚に努力を重ね、自分の名を広める夏にする。


(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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