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目標だった選手権は負傷欠場。藤枝順心FW辻澤亜唯はインハイで「点を決めてチームを勝たせるようなプレーを」

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藤枝順心高のFW辻澤亜唯(3年=FCグローバル出身)は多彩なパターンからゴールを奪うフィニッシャー

 夏の高校女子サッカー日本一を争う令和5年度全国高校総体(インターハイ)「翔び立て若き翼 北海道総体 2023」女子サッカー競技が、7月26日から7月30日まで北海道帯広市と音更町で開催される。藤枝順心高(東海1、静岡)のFW辻澤亜唯(3年=FCグローバル出身)は昨年のU-17ワールドカップで1得点。同年の皇后杯全日本女子サッカー選手権1回戦で福岡J・アンクラス(なでしこリーグ2部)相手にハットトリックを達成しているフィニッシャーだ。

 その福岡J・アンクラス戦で左足首を負傷し、長期離脱を強いられていたが、今春に復帰。中村翔監督が「アジリティがあるので瞬間的なスピードで相手をかわして得点するというところでは久保田(真生、3年)と違うスピードがあって、右でも左でも頭でも得点の取れる選手だと思っています。裏に抜け出すのが非常に得意な選手」と説明する。その辻澤が藤枝順心で成長できたところやインターハイの意気込み、将来の目標について語った。

―福岡出身。なぜ順心に進学しようと?
「杉田妃和さんが行っていたのが大きいです。二島FC、小学校が一緒のチームで、中学校(FCグローバル)も一緒のチームで上がっていって、全部一緒です。今までずっと一緒です」

―実際に来て感じたことは?
「やっぱり一人ひとりのレベルが高いし、戦術とかも中学校では学べなかったこととか学べるし、とてもレベルが上がって楽しいです」

―なでしこジャパンの選手はクラブチーム出身が多いが、高校サッカーに。
「(先輩の存在に加え、)選手権とか見て、出たいと思ったので。高校サッカーにしました」

―藤枝順心の良いところは?
「県外から来る人たちはレベルの高い人ばかりで切磋琢磨して。九州でやっていたら九州(出身の選手)だけだと思うけれど、色々なところから来ているから。あと、人数も多い。多分、(全国の高校女子で)一番多いんじゃないかと思います」

―ピッチ外では?
「仲良いです。順心、めっちゃ仲が良いです」

―来て良かった。
「はい。でも、(皇后杯で大怪我をして、選手権は)まだ出ていないです」

―選手権はどのような気持ちで見ていた?
「悔しい気持ちもあったんですけれども、優勝して欲しいという気持ちがありました」

―実際に優勝した。
「嬉しいですけれども、自分も出たかったなという気持ちでした」

―復帰して戦う全国大会。インターハイはどのような大会に。
「去年は1回戦で敗退して、めっちゃ悔しい思いをしたので、今年こそ、ちゃんと一戦一戦大事にして優勝したいです」

―去年は何が足りなかった?
「決定力。相手は2本くらいしかシュートを打っていなくて、自分たちは(11本と)いっぱいシュートを打ったけれど、入れれなかったところです」

―自分も力が不足していた。
「自分も決めるところとか、チャンスメークがあまりできなかったので」

―そこから1年。怪我もあったけれど成長できた部分は?
「周りとちゃんと連係を取って、自分が決めるところと味方に預けた方が入りやすいなっていうところの区別ができるようになりました」

―万能型のストライカーという評価。
「PA内だったら決めれる自信があります」

―順心での3年間で成長できたことは?
「人と喋ることが苦手だったんですけれども、喋れるようになったし、プレー面ではサッカーIQも高くなったし、相手がこうだから自分たちもこう行くというようなところも成長できました」

―順心OGも現役選手も代表選手が多い。
「(他と異なるところは、)サッカーIQかな。柔軟に対応できると思います。コーチが練習の時でも悪かったら一回止められて、何が悪かったか聞かれて何が必要か考えさせられる。(自分は)今までは何も考えずに。でも、考えるようになりました」

―怪我を乗り越えるのは大変だったと思うが。
「1年生の時にも前十字(靭帯)をやって…(半分やっていない)そうです。前十字やって、2年生の時にも(左足首を)やったので結構悔しいのもあります。だから、(今年は)怪我なく、思い切りサッカーをしたいです」

―将来について、どう考えている?
「将来、卒業後はプロ。最終的には日本代表になって、ワールドカップで優勝したいです」

―昨年は、U-17ワールドカップに出た。世界との違いを感じたことは?
「違うところはありますね。日本じゃ味わえない応援の感じとか、スタジアムの感じとかも凄かったし、監督やコーチの声も全然聞こえないし、(相手の)手足が長いから日本人じゃ出て来ないところも届く。そういうのもあってびっくりするところがあった。良い経験ができました」

―なでしこジャパンに入るために積み上げていく。
「まだ決定力が足りないので、(入るためには、)ちゃんと決め切るところで決めるところとかは必要かなと思います」

―理想像は?
「特別ないんですけれども、ハーランド選手の得点力とか、ネイマール選手の足元とか、色々な選手の良いところが欲しいです」

―改めてインターハイの意気込みを教えて下さい。
「自分としては、点を決めてチームを勝たせるようなプレーをして優勝に貢献したいです。まずは優勝して、冬へ向けてまた頑張りたいです」

―プロのスカウトも見に来ると思うが、どのようなところを見て欲しい?
「自分の良さは背後への抜け出しとか、左右どちらの足でも決められるところなので、そういうところをいっぱい出して勝ちたいです」


(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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