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注目の神村学園は2年連続初戦敗退。FW西丸道人主将「全部変えていかないといけないと思う」

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日本一を目指した神村学園高は初戦敗退。FW西丸道人主将(左)と左WB吉永夢希は変わることを誓った

[7.29 インハイ1回戦 東邦高 2-1 神村学園高 忠和公園多目的広場A]

 FW福田師王(現ボルシアMG)やMF大迫塁(現C大阪)を擁した昨年に続く初戦敗退。神村学園高(鹿児島)の有村圭一郎監督は、「本人たちの気持ちが上がらない。ウチのチームの凄く課題かなと思います」と指摘した。

 昨年の経験者でもある日本高校選抜候補FW西丸道人主将(3年)は、ファーストプレーから相手を飲み込むくらいのプレッシャーをかけることを考えていたという。だが、初めて全国大会を戦う選手たちが多かったことも影響してか、入りが悪く、自分たちのペースに持っていくことができなかった。

 ボールを保持して左サイドへ展開。U-17日本代表左WB吉永夢希(3年)がゴール前へ持ち込むシーンもあったが、決めきれない。最後の精度を欠いたことに加え、強引な攻撃でボールを失い、カウンターを食らうシーンも少なくなかった。

 また、東邦高MF森一琉(3年)にポイントを作らせないことは共有していたが、そこでも後手に。森やFW山端寧生(2年)に押し返されて前半を0-1で終えると、後半立ち上がりにはPKを与えて2点差とされてしまった。

 指揮官は「伝えていることに対して、ウチの子たちのリアクションが薄い。ゲームとしては思った方向へ行かなかったのはあります。(また)全国大会という独特な部分でチームとしては出ているけれど個人としては初めての子もいる。経験者が引っ張れなかった」と語り、経験者たちのプレーについても厳しい評価だった。

 U-16日本代表MF福島和毅(1年)が積極的に崩しに係わり、U-17日本代表MF名和田我空(2年)が一発を狙う。急遽先発起用されたMF平木駿(3年)のゴールで追撃したが、あと1点。ラストプレーで吉永の落としから西丸の放った一撃は枠を外れ、直後に試合終了の笛が鳴った。

 西丸は「強くニア上へ突き刺すイメージだったけれど、力んで枠外になってしまった。冷静さやボール来る前の確認とかが課題。やっていかないといけない。得点力は自分の責任だと思う。(チームは守備でも)連動ミスもあったし、相手にPKを与えてしまった。守備面でも神村らしさを出せなかった」と悔しがった。
 
 昨年も、初参戦したプレミアリーグWESTで攻撃力を発揮する今年も優勝するだけの力があったことは間違いない。だが昨年は体調不良の選手が続出し、明らかなコンディション不足。今年もU-17日本高校選抜FW金城蓮央(2年)とMF高橋修斗(3年)が怪我で登録を外れるなどベストでなかったことは確かだ。それでも、言い訳のできない敗戦。経験者たちを中心に、ここから変わらなければならない。

 吉永は「正直、自分の責任だと思う。自分にベクトルを向けてやっていきたい。今までやってきたことがまだまだだったのかなという感じです。全員でレベルアップして、個人ではもう1段階、2段階レベルアップしないと、対策されて何もできないと今回の試合で確認できた」とレベルアップすることを誓う。

 また、西丸は「去年もこの1回戦で負けてしまってより一一層厳しくなって国立まで行くことができたので、それはできないことではないので、この負けをしっかりと受け止めて、チームとして成長ではなくて、全部変えていかないといけないと思う。ちょっと成長するじゃなくて、今までやってきたことは全部変えていきたい」。“全部変える”くらいの意気込みで冬を目指す。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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