beacon

[コマスポ]数的不利跳ね返し、終了間際に逆転弾!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[駒大スポーツ ゲキサカ版]

2012年度総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント・1回戦は8日、J-GREEN堺・S12フィールドで駒澤大vs鹿屋体育大が行われた。2年ぶりの頂点を目指し開幕を迎えた総理大臣杯。九州リーグ1部首位を走る鹿屋体育大を相手に退場者を出し数的不利になるも、逆転勝利に成功し初戦を突破した。

 2年前の夏、過酷な連戦のなか戦い抜いた駒大は優勝カップを高々と掲げ満面の笑みをこぼした。連覇を目指した昨季だったが、結果は予選敗退。関東リーグ戦でも2部降格という経験を味わい、まさに下剋上を受け苦しいシーズンとなった。そんななか迎えた今季、やはり選手の想いは並み大抵のものではない。優勝から降格まで全てを経験したMF湯澤洋介(4年=矢板中央高)は、「遠くから応援に来ている人もいるので、そういう人のためにも頑張りたい」と大学最後の全国大会に向け胸の内を語っている。その気持ちは初戦からしっかりとプレーに表れた。

全国の舞台に初めて立つ選手が多かったせいか、立ち上がりから駒大は堅さが抜けず早々と苦しい展開を強いられた。高さには絶対の自信を持つFW宮城雅史(4年=具志川高)だったが、全国の壁は厚く。九州リーグのなかでも空中戦に定評のある坂田良太(3年=大津高)に悉く競り負け、思うようにボールを収めることが出来ずに時間だけが過ぎていった。相手の両サイドをワイドに使うシンプルなサッカーから裏を狙われると15分、ついに均衡を破られる。立て続けに3本のシュートを放たれ、耐えきれずに失点。誰もが警戒していた”早い時間での失点”がこの日も出てしまった。

ここからゆっくりと集中力を取り戻すと、互いが得意のシンプルなサッカーをみせつけ合い、激しい攻防戦へと移り変わる。自分たちのサッカーを常に意識している駒大は、ペースを掴むと今季はここからが強い。シュート数を重ねていき迎えた38分、一人の選手のプレーが得点に繋がる最高のラストパスを送る。幾度となくチャンスメイクをする湯澤だ。MF碓井鉄平(3年=山梨学院大学附属高)からボールを受けると、そのまま中央へとドリブル突破。相手を十分に引き寄せたところに、「いい感じで走った」(湯澤)MF山本大貴(ルーテル学院高)がこれを冷静に決め同点に追い付く。試合後、山本も「湯澤君がいいパスをくれて。うれしいです」と語ったように、息の合ったプレーをみせた。

 その後も主導権を握ったまま前半を終える。ハーフタイムにはもっと走ろうという話を秋田浩一監督から受け、後半ピッチにMF小牧成亘(2年=ルーテル学院高)が送られた。これでより一層攻撃に力を増すと、62分にはさらに宮城を下げFW菊池将太(1年=浦和東高)を投入し逆転を狙った。暑さのなか相手の足が止まっていき畳み掛けにいきたいところだったが、予期せぬ事態が起こる。菊池投入からわずか2分後の64分、DF大木暁(2年=東京Vユース)がこの日二枚目のイエローカードを受け退場。数的不利の状況を強いられると、失点を避けるため菊池に替わりDF柳川剛輝(1年=広島ユース)に託した。

 すると、真の駒大魂を見せつけたのはここからだった。一人少ないなか、残された10人全員が気迫のこもったプレーで相手に得点を許さず。引いた守りで隙を作らず堅守に勤めると、鹿屋体育大も攻撃の手に苦しみ硬直した試合展開へと移り変わった。互いに疲れの色を隠しきれなくなった終盤、またしても湯澤がこの状況を打破した。81分、自らボールを運んでいきミドルシュートを放つ。これは相手GKに阻まれたが、攻撃の意識を味方にみせチームを引っ張った。攻め込まれる時間帯もあったが試合終了間際、小牧が積極的に相手を交わし早いクロスを入れCKを獲得。DF田中雄一の絶妙なボールに、「本当にボールが良かった」とMF若山瞭太(3年=加藤学園暁秀高)が頭で合わせ、土壇場で逆転に成功。

直後にロスタイム3分が表示される。これを必死に守り抜き終了を告げるホイッスルとともに、駒大が歓喜に沸いた。DF三澤祥馬主将(4年=三菱養和SCユース)が「逆転出来る自信はある。前線へ感謝の気持ち」と話すと、秋田監督は「三澤が前よりはすごく良くなったので、あいつを中心に守っていければ」と口にし、全員が認め合っている。勢いそのままに頂点まで登りきれるか。連戦はまだ始まったばかりだ。

[写真]勝ち越しに成功し、喜ぶ三澤(左)、若山

(文 駒大スポーツ 佐藤亮)
(写真 同 射手真矢)

PR:駒大スポーツでは、今流行のつぶやきサイト「Twitter」で試合の速報、さらに試合内外で見つけた細かな話題をつぶやいております。「koma_football」で検索して、ぜひフォローをお願いします。

TOP