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[コマスポ]湯澤渾身のスーパーミドル!!平国大を逆転で下す

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[駒大スポーツ ゲキサカ版]

 JR東日本カップ2012第86回関東大学サッカーリーグ2部・第13節は22日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で駒澤大vs平成国際大が行われた。前節大敗した駒大と、中断期間を挟みリーグ戦5連勝と絶好調平国大の一戦。終盤に先制点を許す苦しい展開だったが、意地を見せ見事逆転勝利。後期初白星を飾るとともに、次へ向けて好材料の見つかるゲームとなった。

 亜大戦後、選手は口々に「ミスが多かった」と振り返った。それを修正して臨んだ試合は、平国大の細かくパスをつなぐサッカーに対し、中盤をコンパクトにして対応。反省を生かし、バランスのとれた守備で相手に主導権を握らせない。攻撃に関しても、立ち上がりからサイドアタックからチャンスを作る。低く速いクロスを何度も入れゴールに迫るが、中の選手と合わずシュートを打ちきれない。15分にはMF奥村情(4年=名古屋U-18)が右サイドを突破し、中で待っていたMF湯澤洋介(4年=矢板中央高)へパスを送る。冷静に流し込んだが、直前にファウルの判定。惜しくも得点を奪うことはできなかった。結局前半放ったシュートは駒大1、平国大3。ともに単発な攻撃に終始し、攻め手を欠いたままハーフタイムを迎える。

 後半に入るも、駒大は平国大ディフェンスを崩し切れず、打開策が見当たらない。すると、疲れからか足が止まってきたところを突かれ、徐々に平国大のパス回しが機能し始める。ゲームメーカー荻原健太(4年=矢板中央高)を中心に攻め、効果的な選手交代も相まって、駒大ゴールに迫った。64分、状況を打破したい駒大は、FW宮城雅史(4年=具志川高)を投入。前線に高さをプラスし、シンプルに縦に早いサッカーを目指した。しかし先制点を奪ったのは平国大だった。74分「DFのクリアが中途半端になった」(奥村)ところを突かれ、中盤でボールを奪われる。右サイド、フリーで待っていたMF千葉真史(2年=東北高)がワントラップしてシュート。左隅へと決まり、先制点を奪われる。

 嫌な流れだったが、ここから駒大サッカーの真骨頂を見せる。失点から4分後には奥村がアーリークロス、湯澤が飛び込み、ゴールネットを揺らすが、これはハンドの判定。惜しくも得点ならなかったが、チャンスが増え始める。直後には、裏への縦パスに再び湯澤が抜け出る。キーパーをかわすものの、シュートを打ちきれず。決定機を生かせない。攻め続けた駒大に得点が生まれたのは84分だった。左サイドでボールを受けたMF碓井鉄平(3年=山梨学院大学付属高)がクロス、中で宮城が競り勝ちボールを落とすと、最後は奥村。体ごとゴールへねじ込む泥臭い得点で同点に追いついた。さらに3分後、試合を決めたのはやはりこの男、湯澤だった。ハーフウェーライン付近でボールを受けると、ひとりでドリブル突破、ペナルティエリア近くまでボールを運ぶと、ディフェンダーの寄せが甘くなったところを見逃さず、右足を振り抜く。低い軌道を描いたシュートは、キーパーの手をかすめることなくゴールネットに突き刺さった。わずか3分での逆転劇。最後の最後に力を見せ、苦しみながらも見事な勝利を飾った。

 今節のヒーロー湯澤は試合後自身のゴールを、「情(奥村)が2試合連続でゴールを取っていたから悔しくて。俺も決めてやろう、という感じで打ったら入った」と振り返った。今日の得点、アシストはいずれも4年生。活躍すべき人が活躍したというべきだろう。秋田浩一監督は「1点取られて15分は良かった。彼たちもこれだって言うのが分かったから」と話し、後半ラスト15分の戦いぶりを評価した。このサッカーを前半開始からすることが出来れば、自ずと次の勝利も見えてくるだろう。

 最終的なシュートは5本と、まだまだ満足のいく結果とは言えないかもしれないが、それでも結果を残した。上位陣も勝ちを重ねているため、昇格に向け1試合1試合負けられない戦いが続く。何もできなかった前節から、ラスト15分にようやく自分たちのサッカーが出来た今回。徐々に歯車が噛み合いはじめている。本調子とは程遠いものの、今日の勝利は非常に大きい。だからこそ「次に繋げていきたい」(宮城)。次へとつなげられなければ、勝利が無駄になってしまう。さらなる高みを目指して、また1歩前進してくれることだろう。

[写真]逆転ゴールを決めた湯澤

(文 駒大スポーツ 森下和貴)
(写真 同 猪熊脩登)

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