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[コマスポ]昇格に向けた天王山、痛恨の逆転負け

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[駒大スポーツ ゲキサカ版]
[10.28 関東大学リーグ2部 駒澤大2-3桐蔭横浜大 駒沢補助]

 JR東日本カップ2012第86回関東大学サッカーリーグ2部・第18節は28日、駒沢オリンピック公園補助競技場で駒澤大vs桐蔭横浜大戦が行われた。2位桐蔭大と勝ち点差5の3位につける駒大は、勝たなければ逆転昇格が厳しくなる試合だった。気合の入った立ち上がりから、果敢にゴールを目指し、2点を先取することに成功。しかし、後期の課題である守備陣が踏ん張れない。2点を奪われると、前掛かりになったところでカウンターをくらい逆転を許す。最後まで必死に相手ゴールに迫ったが報われず、昇格に向け痛すぎる黒星となった。

 勝たなければならない試合、点を取るための起用として、ワントップにFW小牟田洋佑(2年=前橋育英高)、トップ下に出場停止明けのMF山本大貴(3年=ルーテル学院高)を使ってきた。前半はこの起用が当たり、小牟田が187cmの長身を生かして、ロングボールに競り勝ち、山本も豊富な運動量で裏を狙い、縦に早いサッカーが出来ていた。すると20分、待望の先制点を奪う。MF碓井鉄平(3年=山梨学院高)のリスタートに山本が抜け出す。ボールを中に折り返すと、桐蔭大ディフェンダーが処理をもたついたところを見逃さず、MF奥村情(4年=名古屋U18)が左足で流し込んだ。狙い通りの形で先制点を奪い、さらに勢いづく。36分、相手陣内右奥で得たフリーキック、DF田中雄一(3年=前橋育英高)がゴールに向かうボールを入れると、中ですらすように合わせたのはMF若山瞭太(3年=加藤学園暁秀高)。得意のヘディングで追加点を決めた。しかし、先制してから勝ちきれないのが後期のパターン。前半は0で終えたいところだったが42分、桐蔭大のDF古澤慶太(2年=習志野高)がディフェンスラインからドリブルで持ち上がる。ファーストディフェンダーが決まらないままずるずると下がってしまうと、ワンツーで抜け出しそのままフィニッシュ。1点を返され1-2、それでも前半はリードして終える。

 集中力が求められる後半、前半同様にアグレッシブな戦いを見せたいところだったが、小牟田が競り勝てなくなり、桐蔭大が駒大のサッカーに慣れ始める。さらに、桐蔭大MF引間俊也(4年=保善高)とMF山崎将(2年=浜松開誠館高)が、ダブルトップ下のような形でボールを持つと、ギアチェンジしたかのように流れるようなパスワークで駒大ディフェンスを翻弄、チャンスを作り始める。立ち上がりの9分、スルーパスに抜け出した引間がキーパーを交わしてクロス。1度はシュートを跳ね返したが、こぼれ球をFW青木翔太(4年=鹿島学園高)がつめる。先日Jリーグ横浜FC入りが内定したストライカーにゴールを許し、同点に追いつかれてしまった。

 引き分けでも昇格が遠のいてしまう駒大は、積極的にゴールを奪いに行く。12分に碓井のフリーキックから奥村が左足で狙うがキーパー正面。直後にはロングボールに抜けた若山がループ気味で狙うも上へ。するとここからは桐蔭大が怒涛の猛攻、細かい横パスと縦への鋭いスルーパスでゴールに迫る。駒大ディフェンスは裏へのボール対応が悪く、何度もピンチを招いた。すると、裏を取られるのを恐れるあまり、最終ラインはずるずる下がっていく。結果的にこれが最悪の状況を生み出すこととなってしまった。

 27分、駒大は中盤でボールを奪われると、スルーパスを出される。キーパーとディフェンスラインの間に通されたボールにGK大石健太(3年=磐田北高)が飛び出る。しかし、直前でDF三澤祥馬主将(4年=三菱養和SCユース)が弾く。このボールは不運にも桐蔭大MF山根視来(1年=ウィザス高)へ。無人のゴールに落ち着いて流し込み逆転した。途中出場山根の攫千金のゴールで、悪夢再び、昇格が遠のいた。

 途中交代も含め最後まで得点を目指したが、結局後半のシュートはわずか3本。チャンスらしいチャンスを作ることさえままならず敗戦を喫した。後期はこれで4敗目。うち3試合は逆転負け、もう一試合も2点差を追いつきながら勝ち越しゴールを許してしまっている。守備陣が粘れない理由は何なのか。ディフェンスリーダー三澤は「気持ちで負けていた」と振り返るが、やはりそれが大きいのかもしれない。後期に入ってから、監督、選手は口々に気持ちの問題を指摘していた。しかし、それを改善するに至らず、大事な一戦を落としてしまったことになる。昇格は厳しくなったが、リーグ戦は残り4試合ある。秋田浩一監督は「やって良かったと思えるようにあと4試合やらなきゃだめ」と話した。ここで気持ちが途切れるようではいけない。最後まで、気持ちを前面に出して戦ってほしい。

[写真]逆転を許し、肩を落とす守備陣

(文 駒大スポーツ 森下和貴)
(写真 同 猪熊脩登)

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