beacon

昇格争いのライバルに快勝、城西国際大は全勝優勝へ向けまっしぐら

このエントリーをはてなブックマークに追加

[11.4 千葉大学2部L第9節 城西国際大5-0帝京平成大 城西国際大G]

 平成24年度千葉県大学サッカーリーグ秋期 2部リーグは4日、第9節を「PRINCE TAKAMADO MEMORIAL SPORTS PARK(高円宮殿下記念スポーツパーク)」(城西国際大G)で行い、本格強化2年目の城西国際大は帝京平成大と対戦し、5-0で勝利した。これで8連勝(不戦勝1、未消化1試合)となった城西国際大は、来季1部昇格へまた一歩前進した。

 不動の4-2-3-1のシステムを採用する城西国際大。GKは平山優樹(1年=長崎日大高)、DFは右から溝口大気(1年=室蘭大谷高)、呉島勝士(1年=広島皆実高)、重行拓也(1年=広島ユース)、津川暢彰(1年=札幌U-18)の組み合わせとなった。中盤はダブルボランチに橋本渉(1年=広島皆実高)と桑野淳史(1年=福岡U-18)。サイド攻撃のポイントとなる右MFにはキックの精度が売りの古川大貴(1年=佐賀東高)、左にはドリブルが得意の小嶋慶蔵(1年=長崎日大高)が入る。トップ下には井之元和之(1年=都城高)。1トップは長身の香川滉太(1年=瀬戸内高)が務めた。

 同じ千葉県2部リーグとはいえ、これまでの相手は言うまでもなく格下であったことは否めなかった。だが今回の対戦相手は1部から降格してきたばかりの帝京平成大。全勝チーム同士の対戦となり、初めて“骨のある相手”との試合となった。日本代表チームコーディネーターなどを歴任してきた小山哲司監督も「きょうは試合前からどういうふうに相手がくるのかというのは考えながらやっていた。もし私がむこうのチームの監督だった場合、どういうふうにやるか。お互い全勝だけど、チーム力の差はあると考えた場合、ある程度守って引き分けだったらラッキーとも考えるだろうし。得失点とか考えたらあまり失点しないようにとも考えるだろうし」といろいろと展開を想定しながら試合に臨んだ。

 試合に入ってみると「完全に引かれた」と小山監督が語るとおり、帝京平成大の選手たちはがっちり守備を固めてきた。パスを繋いで局面の打開を図る城西国際大だが、なかなかスペースを与えてもらえず、思うような攻撃が仕掛けられない。監督からは「ボールを動かせ!どんどん回せ!!」と大声で指示が出る。前半18分、井之元がドリブルでPA内に持ち込み、強烈な左足シュートを放つなど個人での突破も目立ったが、思うような攻撃がさせてもらえず、イライラする状況が続いた。

 そんな展開が続く中、ようやく前半30分、城西国際大のもう一つの武器であるセットプレーから流れをつかむ。セットプレーの流れから、右サイドの古川にボールが渡ると、古川は思い切ってファーサイドにボールを上げる。香川がヘディングで競り勝ち中央に折り返すと、ゴール前に残っていた重行が頭でねじ込んだ。「自分のところに来るのではないかと構えていた。GKの位置を見て、ヘディングするだけでした」と笑顔をはじけさせた重行の得意のヘディングシュートで待望の先制点を手にした。

 この1点で緊張がほぐれたイレブンは、チームとしても機能し始める。流動的な動きで相手の守備の混乱を誘うと、思うようにパスが繋がり始める。前半のうちに追加点は奪うことは出来なかったものの、前半42分にはCKから桑野、重行とつないで最後は井之元が押し込むがバーを直撃。直後の桑野のミドルシュートもバーを叩くなど、再三、相手ゴールを襲い続けた。

 追加点もセットプレーからだった。後半23分、「小さいころからずっとキックしかしてこなかった」とキックの精度に自信を見せる古川が蹴った右CKを、ファーサイドで待ち構えた呉島がドンピシャヘッドで合わせた。この1点が相手に与えたダメージは大きく、その後は立て続けに点が入る。同26分には後半から途中出場の花本敏生(1年=米子北高)がグラウンダーのミドルを突き刺し、3点目。同30分には花本が左サイドで粘って上げたクロスボールを、GKとの競り合いに勝った香川が頭で押し込む。さらに攻撃を続ける城西国際大は同39分、桑野のクロスボールを胸トラップで受けた香川が落ち着いてゴールに流し込んだ。試合は終わってみれば5-0の完勝で幕を閉じた。

 後半34分に主審に文句を言ったとして退席処分となった小山監督。試合後は苦笑いを浮かべながらも、チームの出来に関しては「(相手に)完全に引かれたけど、5点取れたという結果は十分だと思う」と一定の評価を与えた。相手のカウンターにもしっかり対応した守備陣に関しても「守備に関しては(普段から)うるさいくらい言っている。大分よくなってきた」と及第点を与えていた。

 秋季リーグ戦も残り3試合(未消化試合含む)となった。次節の結果次第では自動昇格となる2位以上確定の可能性が見えてくる。だが、昇格は最低限の目標。あとは選手全員が口を揃えて言う『全勝優勝』に向けて突っ走るのみだ。

(取材・文 児玉幸洋)

TOP