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[コマスポ]気持ちを見せた駒大が終了間際に追いつく

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[駒大スポーツ ゲキサカ版]

 JR東日本カップ2012第86回関東大学サッカーリーグ2部・第21節は18日、古河市立古河サッカー場で駒澤大vs東洋大が行われた。前日に桐蔭大が勝利したことで昇格の可能性が完全に絶たれた駒大。消化試合となったが、終了間際に山本の執念のゴールで追いつくという寒空とは真逆の熱い試合が繰り広げられた。

 シーズン初めの目標は優勝と昇格の“ダブル制覇”だったが、優勝どころか最低限の目標としていた昇格すらも逃してしまい、残り2試合に向けてモチベーションが下がってもおかしくなかった。そんな中、今節迎えた相手は自分達の目標であった優勝&昇格を歴代最速で決めた東洋大。「(相手は)1位だったのでそこは最後に勝ちたいと思ってやった」(FW山本大貴(3年=ルーテル学院高))。駒大はモチベーションを下げることなく試合に臨んだ。

 序盤は静かな展開となった。駒大が前線からプレスをかけると、東洋大の最終ラインは無理をせずにロングボールを放り込み、セカンドボールはほとんど駒大にこぼれた。だが、駒大も奪ったボールを繋ぐことが出来ずにいたため、互いに攻めの糸口を掴めないまま試合は進む。

 こうなると、どちらが先に糸口を掴むかがカギになると思われたが、先制点は東洋大だった。30分、MF桑田直徹(3年=大宮ユース)のドリブル突破からシュートを打たれると、GK大石健太(3年=磐田北高)が弾くもMF奥村情(4年=名古屋U18)がオウンゴール。先制点を奪われる。その後も駒大はチャンスらしいチャンスを作ることが出来ないまま前半終了となった。

 後半に入ると、ハーフタイムに檄を飛ばされた駒大が仕掛ける。後半開始早々の1分、奥村が競ったボールに山本が反応すると右足を振り抜く。綺麗にミートした訳ではなかったが、ドライブがかかったボールがゴールに吸い込まれ同点とする。早い時間に追いつき、さらに山本にボールが収まり始めたことで駒大の勢いは加速する。だが、これに動じないのが東洋大の強さなのだろう。26分、カウンターからCKを得ると、そこからFW野崎桂太(4年=大宮ユース)にフリーで合わせられ再びリードを許す。ワンチャンスをモノにされてしまった。

「いつもの状況だと(相手に)逃げられてしまう」(MF碓井鉄平(3年=山梨学院高))。 今までの駒大なら押し込みながら失点しまったことでチームの士気が下がることが多かったが、この日は違った。「残り何分か心打つところもあった」と秋田浩一監督が話したほど貪欲に攻め続けると91分、DF田中雄一(3年=前橋育英高)のクロスから最後は山本がこの日2点目となるゴールで再び同点としてみせた。

「やっと駒大らしいサッカーが出来た。戦術とか技術ではなくて、魂でやるようなサッカーをちょっと出来たと思う」。秋田監督は試合後そう話した。必死になってボールを追いかける。これは当り前のことだし、今まで選手がやってこなかった訳ではない。だが、この日の終盤の戦いがいつも出来ていれば…と思わせるのもまた事実であった。

 監督の理想に近づくのが少し遅かったかもしれない。だが、「事の終わりは事の始まりなので、もう来年に向けて始まっている」。次の最終戦も魂のこもった試合を期待したい。

[写真]起死回生の同点弾を決めた山本
(文 駒大スポーツ 猪熊脩登)
(写真 同 )

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