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[関東1部]4連覇狙う専修大の14年ファーストゴールはエース仲川「(会場を)沸かせたいと思っている」

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[4.5 関東大学リーグ1部第1節 専修大6-0駒澤大 味フィ西]

 1955~58年に早稲田大が成し遂げて以来となる関東リーグ1部4連覇を狙う専修大の14年シーズンファーストゴールは、全日本大学選抜のエースFW仲川輝人(4年=川崎F U-18)が決めた。前半27分、右サイドでクリアボールを拾った仲川はパス交換で前を向くと、カットインから左足を振りぬく。一瞬のキレと技術でゴールを量産する昨季得点王に対し、不用意に飛び込むことをせずに距離を保ちながら守った駒澤大DFだったが、シュートは難なくゴール左隅を射抜いて先制点となった。

「開幕戦だったので自分のリズムを掴むためにシュートで終わろうと考えていた部分があった。(先制点は)もっと巻いて、左上に決めようと思っていたのでイメージとは違いますけれど、シュートが入ったことには意義があると思います。自分も得点王を目指していますし、(現鹿島FW赤崎秀平が持つ)歴代の記録を抜くという目標もありますし、6-0でしたし、いいスタートが切れたと思います」と喜んだ。

 4連覇、連続得点王へ向けてスタートを切った仲川はこの日、鋭いドリブルで右サイドを打開し、FKも獲得。自身の突破はもちろん、SBを効果的に活用して決定機を導き出した。そして後半は何度も違いを見せつけるプレー。駒澤大はセットプレーから反撃したが、専大は反応良くGK福島春樹がキャッチすると、そのキックの先には必ず仲川がいた。相手DFと1対2の状況でありながら、仲川は浮き球の処理センスと技術の高さを見せつけてボールを簡単に収め、一気にカウンターを完結させようとする。仲川は18分にMF北出雄星のゴールをアシストすると、33分にも福島のキックから右サイドを一気に切れ込んで4点目につなげるプレー。そのスピード感溢れる動きと技術に会場は沸いた。「(会場を)沸かせたいと思っているし、沸かせることで自分も気持ちが乗ってくるというか楽しくなってくる」。堅守の印象が強い駒澤大DFをしても、好プレーにより乗り、“楽しみながら”プレーする仲川を止められなかった。

 11年はスーパールーキーとして注目を集めて12得点を記録し、2年時にも12ゴール、昨季はリーグ最多の15得点をたたき出してチームの3連覇に貢献してきた。その大学サッカー界を代表するFWも今年がラストイヤー。「あっという間だった。ほんとにすぐに開幕しちゃったなと。去年も一年間も早かったし、今年も開幕したら一年間早く終わっちゃうと思う。1試合1試合自分の成長のために全力でプレーすることがレベルアップにつながる。難しい1年だけど、4年生ですし、下を引っ張っていく責任感もある。試合は試合で楽しんで、練習は練習で下級生にいいアドバイスできればと思います」。誰よりも厳しいマークを受け、展開によっては試合の中で存在感が消える時間帯はあるものの、やはり実力、注目度は今年ナンバー1のアタッカー。Jか、専大のダブルエースとして戦ってきたMF長澤和輝(ケルン)と同じく海外を選択するのか、進路にも注目のFWは今年1年間、一日一日を大切に、大学の舞台で少しでも成長して次のステージに立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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