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来季大宮入りの明治大SB河面、冷静なボール奪取で決勝弾の起点に

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[8.14 総理大臣杯決勝 明治大1-0順天堂大 ヤンマースタジアム]

 冷静に相手の一歩先を読んでいた。来季の大宮アルディージャ加入が内定している明治大DF河面旺成(4年=作陽高)は、果敢なボールカットで決勝点の起点となった。タイトル獲得には「日本一になるために、いっぱい学生間で話し合って、戦ってきたので。素直に嬉しいです」と微笑む。

 この日の決勝・順天堂大戦には「正直、やるしかないという気持ちでした。自分たちは後ろから支えて、無失点で終われれば、自ずと結果はついてきますし、DF同士でも声を掛け合って、後ろから引っ張っていくことを意識しました」と臨んだ。

 決勝点が生まれたのは前半16分。明治大が細かいパス交換で崩しにかかるも、相手にカットされる。それでも、左サイドで待ち構えていた河面が奪い返し、ショートカウンター。前へつなぎ、MF道渕諒平(4年=仙台ユース)が左サイドへ開いたMF富田光(2年=中京大中京高)へ預けると、リターンを受けて右足シュート。このゴールが決勝点となり、明治大は1-0で勝利した。

 冷静なボール奪取で決勝点を演出した河面は「相手がFWに当ててから攻撃をつくるシーンが多かったので。あの場面もまずはFWにボールが来るかなと思いました」と読み通りの“カット”だったと明かす。奪ってからは冷静にフリーの味方へパス。これがゴールへつながった。

 殊勲のDFは戴冠を喜んだが、課題も口にした。決勝点を演出したものの、まだまだ物足りない様子。「個人的にはアシストとか得点という数字で結果を出せていないので、攻撃参加にいく回数だったりを増やしていきたい」と貪欲に語った。

 既に来季の大宮入団が決まっているDFはプロ入りを見据えては「タイミングを見ての攻撃参加だったり、自分の得意である左足のキックは強みにしていきたいです」と意気込む。明治大のSBは、総理大臣杯、関東大学リーグ、全日本大学選手権(インカレ)での優勝を成し遂げ、三冠王者としてプロの扉を叩くつもりでいる。そのために、まずは一つ目のタイトルを手に入れた。

(取材・文 片岡涼)
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