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[デンチャレ]九州大学選抜の名手・MF山口卓己は経験を持ち帰り、夏の日本一、プロへ

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九州選抜の名手、MF山口卓己(鹿屋体育大3年=大分高)

[3.10 デンチャレGL第2節 関西選抜 2-0 九州選抜 Jヴィレッジ]

 九州大学選抜は関東大学選抜Aとの初戦で0-0ドロー。“九州らしい”力強さとアグレッシブなサッカーで前回王者を苦しめた。メンバー6人を入れ替えて臨んだ関西選抜との第2戦で初白星を狙ったが、アンラッキーな失点もあって黒星。1試合を残して決勝進出の可能性がなくなった。

 ゲーム主将を務めた攻守のキーマン、MF山口卓己(鹿屋体育大3年=大分高)は「前半は全体的な守備の強度が足りなかった」と振り返る。技術力の高い関西選抜にボールを支配され、押し込まれてしまった。相手ペースの中で前半終了間際に2失点目。加えて、前半は山口が中盤でタメを作っていたものの、全体的に単調な攻撃となって相手に対応されていた。

 後半はメンバー交代しながら前への圧力も高め、シュート数を前半の1本から9本にまで増やした。だが、2度ゴールマウスにシュートが弾かれるなど無得点。八戸寿憲監督(長崎総合科学大)は「フィニッシュ精度を高めるための声がけをしたい。もっと強引に切れ込んでいくのも良いかなと思う」と指摘していた。

 山口は大分高時代から注目されていたゲームメーカー。自分の技術力と視野の広さを有効に活用する名手だ。九州選抜では前からボールを奪いに行くチームの中でバランスを取ること、また「セカンド回収は絶対にやらないといけない」。その上で奪ったあとの1本のパスを正確に繋ぎ、ボールをサイドに散らしながらゲームメークするなど求められている中心的な役割を表現。だが、本人は満足していない。

「昨日の試合では守備の強度も高く行けて奪い取ることもできたんですけれども、今日は連戦ということもあって、最後まで走り切れなかったというのはあったのでもう一個、守備だけじゃなくて、取った後の一本繋ぐ以上のプレー、ゴール前のところにもうちょっと係わらないと、と思います」

 自身に求めるのはゴールに係わるプレーだ。「高校時代から点に絡むことが課題だったので、そこがまだここまで達していないなと自分の中ではあるので、もっとラストパスだったり、自分でもっとシュートだったりとか、そういうところをこれから自分の課題として、やっていかないといけないです」。この日はゴール前の混戦の中でより身体の向きの良い選手を見つけてラストパスを通すシーンもあったが、より高いレベルを自身に課していた。

 鹿屋体育大での3年間で「守備の部分は強度が上がったと思います」と語る山口は、「今、絶対に夏取りたいという気持ちでやっている」。目標のプロ入りを果たすためにも夏の総理大臣杯で活躍し、全国タイトル獲得へ。Jクラブへの練習参加も経験やデンソーカップチャレンジの経験をチームに活かして目標達成へ挑戦する。
 
(取材・文 吉田太郎)
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