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[MOM903]全日本大学選抜MF長尾優斗(関西学院大4年)_MVPじゃないの!?歴史的勝利もたらす劇的決勝弾「もっと頑張れよということかな」

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歴史的勝利の一員となった“関学トリオ”(右から長尾優斗濃野公人美藤倫)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.24 大学日韓定期戦 韓国1-2日本 安養総合運動場]

 試合後に行われた表彰式。両チームより各2名が選ばれる優秀選手が発表され、最後にMVPとなる松本健一賞の発表を残すのみとなった。大抵の人は後半44分に決勝点を決めたMF長尾優斗(関西学院大4年=G大阪ユース/水戸内定)の名前が呼ばれると思ったのではないだろうか。しかしそこで読み上げられたのは、長尾の横にいたDF岡哲平(明治大4年=FC東京U-18/FC東京内定)の名前だった。

「みんな俺の方を向いていたので、あるかなと思っていたんですけど(笑)。そしたら横で優斗、優斗とずっと言っていた哲平が呼ばれた(笑)。最優秀選手賞か優秀選手賞が欲しかったけど、もっと頑張れよということなのかなと思います。パリ五輪も視野に入れているので、もっともっと上に行けるように頑張りたいと思います」

 試合序盤から存在感があった。持ち味の攻撃の組み立てが抜群で、再三の好機を演出。本人も「攻撃の部分で特長を出すとか、組み立ての部分でボールを前進させていくことが自分の強みでもあるので、そういったところを担って出来ていた」と手ごたえを感じながら試合を進めていた。

 そして最終版。やや押し込まれた時間帯を耐えた日本は、後半44分にこぼれ球を拾ったMF中村草太(明治大3年=前橋育英高)が右サイドからドリブルでエリア内に侵入。粘ってマイナスにパスを戻すと、長尾が相手を一人外して、ゴールに流し込んだ。「ボランチで得点を取れたら目立つし、もっと注目されると思う。あの時間帯でスプリントできたのが良かった」。背番号14も充実の表情で振り返った。

 今年3月にも日本で開催された日韓定期戦を戦った全日本選抜に長尾も選出されていたが、試合出場は叶わなかった。DF高木践(阪南大)がMVPを受賞するなど、直前に行われたデンソーカップチャレンジでともに優勝した関西選抜の選手が躍動する中、ベンチで一人悔しい思いをしていた。「だから目に見える結果は意識しながらやっていた」。日韓定期戦でアウェー初勝利をもたらす決勝点。これ以上ない結果に、充実度は増す。

「関西を代表、日本の大学を代表して選ばれているので、そういう責任感であったり、自覚を持ちながらやってきました。今度は全日本を経験した選手がチームに帰った時に還元しないといけない。(関学には)自分以外にも絶対的な選手がいて、頼りになりますけど、自分がチームを引っ張っていくつもりでやっていきたいと思います」

(取材・文 児玉幸洋)
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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