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“黄金ライン”桐蔭横浜大から5年連続川崎F入団!今年は山内日向汰「開幕からスタメンで」

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桐蔭横浜大からJリーガーとなる左からMF井出真太郎、MF山内日向汰、FW白輪地敬大

 桐蔭横浜大が19日、Jリーグ内定者記者会見を行った。今年は3名が出席。川崎フロンターレに入団する主将MF山内日向汰(4年=川崎F U-18)は「今までのサッカー人生に関わってくれた人に恩返しができるように頑張りたい」と意気込みを語った。

 19年に入団を決めたMFイサカ・ゼイン(現山形)から、MF橘田健人、GK早坂勇希、FW山田新に続き、川崎Fにはこれで同大から5年連続の入団者となる。「そんなにプレッシャーはなかった」という山内だが、「フロンターレはずっと意識してきた。先輩がいいお手本になってくれたと思うし、いい見本の近くでやれたことはよかったと思います」と笑顔で話した。

 小学3年生から高校3年生までの10年間を過ごした“古巣”への帰還になる。当時から高卒時点でトップ昇格を決めたFW宮城天(現山形)との実力差を感じることはなかったというが、当時は自分がそのままプロ選手になるというイメージも湧かなかったという。

「高卒でプロになると思っていたら、もっと違うアプローチもあったと思うけど、考えになかった。小さいころから漠然とプロになりたいという気持ちはあったけど、麻生のグラウンドは神聖な場所という気持ちが自分の中ではあって。今でも麻生で練習しているのは違和感があるくらい。今思うともったいなかったなと思うところはあるけど、自分は大学に来てよかったと思っています」

 当然、大学で成長したという自覚もある。2年生の21シーズンにレギュラーを掴んだ山内は、関東リーグ1部で7アシストを記録して、アシスト王を獲得。中心選手としてプレーした3年時は、大学選手権(インカレ)を初優勝し、母校に悲願の初タイトルをもたらした。そして今年2月には早くも川崎Fへの入団内定を決めた。

 しかし期待された大学4年生シーズンは、試練の年となってしまった。主将として臨んだシーズンだったが、特に夏場にコンディションを大きく落とした。「苦しい年だったのは間違いない」。結果的にリーグ戦は19試合に出場したものの、5得点2アシスト。チームも7位に終わり、夏の総理大臣杯に続いて、王者として出場したかった冬のインカレも出場を逃した。

 ただ「人生で一番いい経験になった」とも振り返ることができる。コンディション不良に苦しんでいた7月には、川崎Fのトレーニング場で新シーズンに向けた調整をしていたMF三笘薫(ブライトン)やMF旗手怜央(セルティック)と再会し、相談に乗ってもらったという。「何を話したかは秘密ですけど(笑)、精神面や将来的なこともいろいろ相談させてもらった。人として尊敬できる方たちなので、すごく勉強になりました」。

 そのおかげもあってか、夏場以降は復調のきっかけを掴んだとも考えている。9月に選ばれた全日本大学選抜では10番を背負ってプレー。韓国で行われた大学日韓定期戦で得点を記録して、韓国アウェー初勝利という歴史的快挙に貢献した。そして来年からは開幕からエンジン全開でパリオリンピック出場も視野に入れた活躍をみせたい考えでいる。

「インサイドハーフで開幕からスタメンで出られるような選手になることは意識している。攻撃の部分では自信を持ってやれるなというのはあるので、ゴールもたくさん取れるように頑張りたい。パリ五輪もまだチャンスはあると思っていて、少ないかもしれないけど、チャンスを掴めるように、次は転ばないようにやりたいです」

 先日、大学のイベントでプロ野球楽天ゴールデンイーグルスにドラフト1位で指名された古謝樹投手と初対面した。「金額(契約金)が違いますけどね」と苦笑いを浮かべるが、来年から同じプロ選手になることでお互いに刺激を受けたようだ。「自分はまずは夢の舞台を楽しみたいと思います」。大学を含めた“黄金ライン”で育った来季の新星候補が、その実力を見せつける。

●FW白輪地敬大(4年=桐蔭学園高/いわきFC内定)
「多くの方のおかげでここに立てている。自分はそこまで大きな功績を残してきたわけではない。これからも1試合1試合を大切にプレーさせていただきたい。自分のプレーで感謝の気持ちを込めて、日々を精進していきたい」

●MF井出真太郎(4年=横浜FMユース/栃木内定)
「考えてきたことを忘れたので、今思っていることを言うと、大学に入って思い通りにいかないことが多くて、その中で自分に価値を見出してくれた栃木SCの方に感謝している。自分はこれまでいろんな人に迷惑をかけてきた。サッカーで恩返しするしかない。頑張っていきたい」

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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