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[デンチャレ]四国選抜は左MF熊野敬二郎がゴラッソで反撃の口火、関東や関西の大学に進んだ同級生に「負けていられない」

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左サイドで切れ味鋭いプレーをみせていたMF熊野敬二郎(四国学院大3年=四国学院大香川西高)

[2.20 デンチャレプレーオフ 中国選抜2-2四国選抜]

 前半を2点ビハインドで折り返した四国選抜だったが、後半9分、左サイドでスローインのボールを受けたMF熊野敬二郎(四国学院大3年=四国学院大香川西高)が巧みなドリブル突破から右足でゴール右隅に流し込むゴラッソを決めた。

「ハーフタイムに立ち上がりをしっかり行こうというのと、シュートが少なかったのでシュートで終わるということを話し合った。マッチアップした選手は相性がいいなと思ったので、どんどん仕掛けていったら結果が出せると思った。それで前を向いて、上手いこと剥がせて、シュートコースが空いたので振り抜いた感じです」

 反撃ムードに転じた四国選抜は直後の後半11分にMF児玉凌空(聖カタリナ大2年=東海大熊本星翔高)のシュートがポストに当たって跳ね返ったボールをDF吉山大星(四国学院大3年=必由館高)が蹴り込んであっという間に同点に追いつく。終盤は再び中国選抜の攻勢を受けたが、四国選抜が守り切って貴重な勝ち点1を獲得した。

 熊野も四国からプロサッカー選手を目指している。愛媛県出身だが、高校は隣県の四国学院大香川西高に越境入学。国士舘大に進んだFW東川続や大阪学院大のMF箱崎達也ら実力者と切磋琢磨を続けた。

 ただ仲間が県外の強豪大学に進学する一方で、熊野はそのまま四国学院大に進むことにした。県外に出ることも考えたというが、競争率の高さ、Jリーグスカウトの目に留まることの多い地域選抜チームに選ばれやすい環境を考えて、香川にとどまることを決めた。

 一昨年の総理大臣杯では国士舘大が優勝、大阪学院大が準優勝と、かつての仲間が全国大会で結果を残した。東川らとは得点を決めたときなど、近況を報告しあうというが、「活躍されると悔しさもあります」と素直な感情も持っている。

 だからこそ、同じ舞台に立ちたい。今大会で再会、箱崎が選ばれた関西選抜と対戦するためには、本戦に出場するしかない。「同級生の活躍は耳に入るので、僕も負けていられない。自分もプロを目指している。チームとして本戦に行くことはもちろんですけど、それが出来なくてもプレーオフ選抜で本戦に行ったらチャンスが広がると思っています」。同級生に負けない努力を積み重ねてきたことを証明する。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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