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[デンチャレ]U-22代表も擁した関東選抜Aの強度を体感。日本高校選抜は善戦も0-1で惜敗

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日本高校選抜は関東選抜AのFW中村草太(明治大3年=前橋育英高)に決勝点を許し、0-1で敗戦

[2.28 デンチャレ 関東選抜A 1-0 日本高校選抜]

 日本高校選抜、善戦も初黒星――。28日、第38回デンソーカップチャレンジサッカー 福島大会 グループB 第2節で日本高校選抜は関東選抜Aと対戦。FW中村草太(明治大3年=前橋育英高)に決勝点を許し、0-1で敗れた。

 日本高校選抜は、0-0で引き分けた東北選抜との初戦から先発9人を変更。GKは雨野颯真(前橋育英高3年→早稲田大)で主将の右SB野田隼太郎(藤枝東高3年→早稲田大)、CB池戸柊宇(京都橘高3年→大阪体育大)、CB山本虎(青森山田高3年→東洋大)、左SB布施克真(日大藤沢高2年)、MF長準喜(昌平高3年→順天堂大)とMF太田隼剛(市立船橋高3年→桐蔭横浜大)のダブルボランチ、右SH杉本英誉(青森山田高3年→桐蔭横浜大)、左SH名和田我空(神村学園高2年)、そして宮下拓弥(桐光学園高3年→桐蔭横浜大)と小田晄平(昌平高3年→東海大)が2トップで試合に臨んだ。

 対戦した関東選抜Aは、ともにU-22日本代表歴を持つCB根本健太(流通経済大3年=東京学館高)とMF角昂志郎(筑波大3年=FC東京U-18)や右SB沖田空(筑波大3年=鹿島ユース/水戸内定)らが先発。立ち上がりから繰り返し高校選抜DFラインの背後を突いてプレッシャーを掛ける。

 高校選抜は相手のパスワーク、スプリントにDFラインが割られるようなシーンも散見された。だが、8分、中村にサイドを破られながらも、布施のカバーリングでピンチを阻止。その後も布施が強度の高い守備を連発していたほか、日本高校選抜は山本や雨野を中心に守りを安定させていく。

 関東選抜Aは、左SB五十嵐聖己(桐蔭横浜大3年=尚志高)がスプリントを繰り返していたほか、右SB沖田も積極的に攻撃参加。厚みのある攻撃を続け、34分にはMF小川嵩翔(中央大3年=甲府U-18)の強烈な右足ミドルがゴールを捉えた。攻撃から守備への切り替えも速く、高校選抜はビルドアップしようとしたところを“食われて”ボールを奪い返されてしまう。

 それでも、小田、宮下筆頭としたプレッシングで相手の精度をわずかに狂わせて、ボールを奪い返すと名和田や杉本がセットプレーを獲得。41分には、長が奪い返しからドリブルシュートを打ち込んだ。

 また、池戸や山本がスペースを埋めるなど前半は粘り強く凌いで0-0で終了。後半2分には、左CKの流れから名和田の右足シュートが相手ゴールを脅かした。だが、直後に失点。荒れたピッチにDFラインのビルドアップが乱れ、バックパスを関東選抜AのFW中村にインターセプトされてしまう。中村はGKをかわして右足で先制点。対する日本高校選抜は10分、太田の好パスから左の名和田がDFを外してクロスを上げ切るなど反撃する。

 12分には、布施と宮下に代えてCB小泉佳絃(青森山田高3年→明治大)とFW高岡伶颯(日章学園高2年)を投入。池戸を左SBへ移した。クレバーな守備も見せていた右SB野田が、攻撃面でも落ち着いてボールを運び、連動した崩しにもチャレンジ。だが、「年下とはいえ、自分がするべきことは全部出して、勝ちにこだわろうっていうのは考えていました」という関東選抜AのCB根本に高岡のスピードを消されたほか、高打点のヘッドで跳ね返されるなどなかなか反撃の糸口を見いだせない。

 関東選抜Aも根本の持ち上がりから中村が一気に仕掛けてクロスへ持ち込む。1点差のまま食い下がる日本高校選抜は23分、長、杉本、小田をMF塩川桜道(流通経済大柏高3年→流通経済大)、MF芝田玲(青森山田高3年→明治大)、MF松田悠世(桐光学園高3年→法政大)へ3枚替え。小泉の守備範囲の広さや山本の対人の強さに支えられ、反撃を加速させる。

 塩川を前線へ上げたチームはそのキープ力や高さを活かした攻撃。縦に速い展開となる中で迎えた34分、松田が芝田とのワンツーからスルーパスを通し、高岡が右サイドを突いた。だが、CB根本に対応され、37分には高精度の左足キックを見せていた太田の右CKに小泉と池戸が飛び込んだものの、ゴールライン上で相手DFにクリアされた。

 塩川は「(関東選抜Aは)強いです。やっぱり一人ひとり個がまず違くて、強度とかが容赦ないなっていう感じがして、自分もガツガツ行ったんですけど、当たり合いが当たり前みたいな、その強度っていうのは半端なかったです」と振り返る。スコアこそ僅差となったが、差を感じる部分も多かったようだ。日本高校選抜の高校3年生は全て大学進学。塩川は「自分も関東A、大学入って入れたらいい」。強さを実感した関東選抜Aに入ることを、大学進学後の目標に掲げていた。

 日本高校選抜はそのプロ予備軍の相手に健闘した。ベンチも熱量を持って一緒に戦い、1点差のまま後半アディショナルタイムへ突入。日本高校選抜は45+5分、中央の太田が低い弾道のボールで右サイドへ展開する。これを受けた松田がカットインから左足シュート。ゴール左上を捉えたが、GKヒル袈依廉(早稲田大3年=鹿児島城西高)が素晴らしいセービングで止め、関東選抜Aが1-0で勝利した。

 関東選抜Aは今大会初勝利。一方の日本高校選抜は1分1敗となった。布施は「あと2試合、絶対負けられないと思うんで、 全員で一丸となって、あと2試合、2連勝できるようにしたいと思っています」。日本高校選抜は29日のグループ最終節で2戦2勝のプレーオフ選抜と戦う。

(取材・文 吉田太郎)


●第38回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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