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[デンチャレ]攻撃的左SB川島功奨が鮮やかな決勝点!関西選抜が「勝ち取りたい」連覇へ大きな1勝

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後半34分、関西選抜が左SB川島功奨(関西大3年=京都U-18)のゴールで決勝点

[2.28 デンチャレ 関西選抜 2-1 関東選抜B]

 関西選抜、連覇へ望みを繋ぐ1勝――。28日、第38回デンソーカップチャレンジサッカー 福島大会 グループA 第2節で関西選抜と関東選抜Bが対戦。関西選抜が左SB川島功奨(関西大3年=京都U-18)の決勝点によって、2-1で勝った。グループAは全4チームが1勝1敗で並ぶ混戦に。関西選抜は29日の最終節で東海選抜、関東選抜BはU-20全日本選抜とそれぞれ戦う。

 関西選抜は強風下で行われた初戦(対U-20全日本選抜)で自分たちのテクニカルな特長を発揮できないまま、1-3で敗戦。だが、川島は「今日は(監督の)石間(寛人)さんからも、僕たちが積み上げてきたボール引き出して 出して、また走るっていうのを出して行こう、勇気を持って戦うっていうのを言われてたんで、そこは体現できたんじゃないかなと思います」と胸を張る。自分たちの強みを体現した関西選抜が白星をもぎ取った。

 先制したのは関西選抜だった。この日、左SH杉本蓮(関西福祉大3年=京都橘高)が一際キレのあるドリブル、奪い返しでも光る動き。また、最前線で怖さを示すFW閑田隼人(大阪学院大3年=広島皆実高)らを軸に攻め、前半16分にスコアを動かした。

 守備面でも貢献度の高い動きを見せていたMF戸水利紀(立命館大3年=川崎U-18)が左サイドへ見事な展開。杉本が縦へ運ぶと、FW鹿取勇斗(同志社大2年=桐光学園高)を経由したボールが中央の閑田へ届く。最後は閑田が左足でゴールへ沈めた。

 一方の関東選抜Bは機動力のあるMF熊倉弘達(日本大3年=前橋育英高)やMF猪狩祐真(産業能率大3年=日大藤沢高)がボールに係る形で攻め返す。また、左SB小林栞太(駒澤大2年=鹿島ユース)のプレースキックなどからシュートへ。前半44分には右CKのこぼれ球をMF山市秀翔(早稲田大2年=桐光学園高)が左足で狙うが、関西選抜GK波多野崇史(同志社大2年=広島ユース)のファインセーブに阻まれてしまう。

 関西選抜も戸水の中央突破から右SB大串昇平(京都産業大3年=G大阪ユース)がラストパスへ持ち込んだほか、川島のドリブル突破からのラストパス、また杉本の奪い返しからロングカウンターを打ち込むシーンもあったが、ラストの局面で阻まれてシュートに繋げることができない。ただし、セットプレーなどから失点のピンチがあったものの、木邨優人(関西大3年=京都U-18)、横窪皇太(京都産業大3年=金光大阪高)の両CBを中心に無失点のまま試合を進める。

 後半、関西選抜のMF箱崎達也(大阪学院大3年=四国学院大香川西高)や戸水、関東選抜Bの山市らが激しくボールを奪い合う。切り替えの速い攻守が続く中、関東選抜Bが同点に追いついた。

 後半16分、GK松本崚汰(東京国際大3年=白井高)のパントキックが前線でバウンドし、交代出場MF松永颯汰(流通経済大2年=静岡学園高)が頭で右へ繋ぐ。これに反応した猪狩が胸コントロールから右足シュート。クロスバーを叩いた跳ね返りをFW五木田季晋(日本大1年=川崎U-18)が頭でゴールへ押し込んだ。

 関東選抜Bが逆転を目指してゴールへ迫るが、関西選抜が再び勝ち越し点を奪った。34分、交代出場のMF中野瑠馬(立命館大3年=京都U-18/京都内定)が中盤でセカンドボールを回収し、左へ展開。杉本が縦へ持ち込んで中央へ繋ぐと、交代出場FW古山兼悟(大阪体育大3年=立正大淞南高/C大阪内定)がコントロールから左足でスルーパスを通す。これを受けた川島がDFのタックルをかわして右足シュート。中盤での攻防の流れから、そのまま前線へ飛び出してきていた左SBのゴールで2-1とした。

 殊勲の川島は「同点になって、やっぱり点取りに行かないといけないっていうところで、僕も攻撃的なSBなのでタイミングを見て上がっていたら、良いボールが来たので、相手が滑ってくるのが見えた時点でかわしてやろうと思って、冷静に決めれて良かったかなと思います。(所属する関西大でも)自分で考えながら、タイミング見てゴールを決めるっていうシーンはこだわってもいるので、そういうシーンが今日出せて良かったかなと思います」と微笑んだ。関西選抜は終盤、5バックへ移行して守備固め。相手の反撃を封じ切り、今大会初白星を挙げた。

 連覇へ向けて負けられない状況での1勝。川島は「連覇できるのは僕らだけですし、これからどんな状況でも、やっぱりボールを引き出して、勇気持ってボール受けて、ゴールに向かっていくっていう関西らしい技術を活かしたサッカーで、最終的にはやっぱり連覇を勝ち取りたいです」と力を込めた。

「僕自身、やっぱり上に行きたいって常に思って一日一日過ごしてきた」という川島自身にとっても将来へ向けた大事な大会だ。京都U-18時代はU-18日本代表候補にも選出されたが、怪我やコロナ禍も重なってトップチームに昇格することができなかった。それでも、「それもやっぱり運命だと思いますし、実力だと思いますし、今考えると、あそこで上がったとしても自分の力が通用したかと言えば、そうではないと思っています。大学来て、もう一度力をつけ直して活躍できる選手になって、一つ上のステップに行こうっていうことを考えていました」。この日、特長を出して勝利に貢献したDFは戦術への柔軟な対応力や攻撃参加といった良さをより表現し、関西選抜に白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)


●第38回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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