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[デンチャレ]24年日本高校選抜の主将は右SB野田隼太郎(藤枝東)に。「覚悟を持って」取り組み、チームを活性化させる

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24年日本高校選抜の主将、右SB野田隼太郎(藤枝東高3年→早稲田大)

[2.27 デンチャレ 日本高校選抜 0-0 東北選抜]

 24年日本高校選抜の主将をDF野田隼太郎(藤枝東高3年→早稲田大)が務める。例年、日本高校選抜の主将は選手権優勝校や全国大会で活躍した選手が務めるケースがほとんど。静岡の名門、藤枝東で主将を務めた野田も、「(主将は選手権優勝の青森)山田組か、尚志組あたりがやるんじゃないかなと思っていました」と振り返る。だが、米澤一成監督(京都橘高)はNEXT GENERATION MATCH(2月17日)前の合宿で野田に主将を託した。

 指揮官は昨年、U-17日本高校選抜の活動で野田のピッチ内外での行動を見て信頼。主将に指名した理由について、「やっぱり正しい目を持ってるんちゃうかなって、彼は。で、彼に発言力っていうかを持たしたかった。聞いたら(彼は)分かっているんですけど、彼が発信することをもっとやって欲しいなって」と説明する。

 2冠王者の主将を務めたDF山本虎(青森山田高3年→東洋大)や高校選抜に元気を加えるDF渡邉優空(尚志高3年→立正大)、また発言力のあるMF芝田玲(青森山田高3年→明治大)が優れたリーダーなのは間違いない。

 その上で「(彼らは言わなくても)リーダーシップを持ってやれる子たちなので、そうじゃなくて、っていう子らが上がってきた方がチームとして活性化しないかなっていう風に思っていました。やっぱり適任は(理解力の高い)野田かなと思っていました」。チームの軸として期待。それに対し、野田は「最初はちょっとびっくりしたんですけど。そう言われたからには、覚悟を持ってやんないとダメなんで、そこはやらないとなって」と決意して主将としての活動をスタートしている。

 技術力、守備能力も高い野田はU-15、U-16日本代表候補歴を持つ実力派。藤枝東ではボランチ、右SB、CBとしても活躍してきた。だが、選手権は激戦区・静岡県予選で3年連続準優勝。全国舞台で活躍していない自分が主将で大丈夫か、という思いがあったことは確かだ。「まずここ(日本高校選抜)に入れるとも最初から思ってなかったんで、そこも驚きだった」という。それでも、主将就任後は自覚を持って選手間ミーティングなどで発言。チームのため、自身の成長のためにも大役を全うする意気込みだ。

 その野田は、足首の怪我の影響でNEXT GENERATION MATCHを欠場したものの、翌18日の練習試合(対U-17神奈川県選抜戦)で実戦復帰。その後、進路先の早稲田大の練習で準備し、迎えたデンソーカップチャレンジは初戦の後半開始から交代出場した。

「練習から意識してコミュニケーションを取ってたんで、試合でそこまでやりにくさは感じずにできたかなと思っています」。前方の右SH松田悠世(桐光学園高3年→法政大)は昨年のU-17日本高校選抜からコンビを組んできたプレーヤー。互いに距離感良くサポートして局面を打開し、守備でのボール奪取に繫げていた。

 野田は余裕のあるボールコントロールとパスで攻撃を活性化。強引にDFを剥がして抜け出すシーンもあった。また、相手のスルーパスをカットするなど攻守に存在感のある動き。「大学の練習にも参加させてもらっていて、そこで結構スピード感や強度の高さを体感して、まだ全然慣れてはないんですけど、そこで大学レベルを感じれたのは結構デカいかなと思います」。ただし、一つ奥側の選手にパスを繋ぐことや、もっと味方と係ることができたと反省も忘れなかった。

 日本高校選抜は全国の高校サッカー部の“代表チーム”。野田は高校サッカーの代表として、また藤枝東の代表としても活躍する意気込みだ。「選考合宿選ばれた時に、みんなからびっくりされたし、その時から結構応援されてたんで、 藤枝っていう名前を広めるためにも、自分が頑張んないとダメだなっていう思いはあったんで、もっともっとこの大会でも、この先のドイツも選ばれて、そこは見せていきたいなと思います」と力を込めた。

 デンソーカップチャレンジは自身の現在地を知れる大会でもある。「個人としての目標は、もっと攻撃でアシストであったり、得点に係るプレーをもっと増やして、積極的にゴールに向かっていきたい。守備では、相手の左サイドとか、ほんとにトップレベルの選手しかいないと思うんで、そこで自分が強みでもある守備でどれだけ回収とか、予測でインターセプトであったり、そういう部分がどこまで通用するかっていうのを試したいなと思ってます」。驚きの主将指名によって意識変化。貴重な活動を自身の将来に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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