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[オ-プニングフェス]主力不在の王者・専修大は新システムテスト、終了間際に意地の一発

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[2.26 関東大学オープニングフェスティバル 関東選抜A3-1専修大 西が丘]

 大学王者・専修大は関東選抜Aに1-3で敗れた。この日はCB鈴木雄也主将(3年=武相高)が関東選抜B、CB栗山直樹(3年=清水東高)が関東選抜Aとしてそれぞれ試合に出場。また前日まで全日本大学選抜合宿に参加していたMF下田北斗(2年=大清水高)、MF長澤和輝(2年=八千代高)、DF北爪健吾(1年=前橋育英高)、FW仲川輝人(1年=川崎F U-18)の4選手もベンチスタートだった。「昨年までのシステム(4-1-2-3)で戦えば彼らもそれなりにできたと思う」と源平貴久監督は話したが、敢えて中盤をダイヤモンド型に配した新システムで臨んだチームは前半17分に先制されると、その後も関東選抜Aにボールを動かされてそれを跳ね返すのが精一杯。「積極的に」「勝つ」と送り出されていたものの、リスクを怖れた消極的な攻撃となり、アイデンティティーである「攻撃的で美しいサッカー」とはほど遠い内容だった。

 それでも「あまりにもダメでビックリした。『この内容はないだろう!』と怒鳴り散らした」と指揮官が振り返るハーフタイムを経て後半は決定機が増加した。後半開始から投入された下田が判断良くボールを動かし、右サイドでは驚異的なアップダウンを見せる北爪が決定機に絡む。4分にはFW大西佑亮(3年=鹿島ユース)の決定的な左クロスにFW鈴木勇二(1年=富山一高)がフリーで頭であわせ、15分には北爪が強引に左足シュートへと持ち込んだ。そして後半20分には長澤と仲川を同時投入。1点ビハインドをひっくり返しに出る。

 ただ、チームは直後に痛恨の2点目を献上。33分に鈴木勇がクロスバー直撃の右足シュートを放ち、42分には長澤のスルーパスから仲川がゴールへ迫るが追いつくことはできず。0-3の後半45分に下田の大きな展開に右サイドの北爪が快足を活かして追いつき、そのラストパスを鈴木勇が押し込んで意地を見せたが、黒星がついた。

 ただプロ予備軍とも言える関東Aに対して見せたパフォーマンスは決して悲観するものではなかった。昨年からフィールドプレーヤーは3人抜けただけ。同様のシステムでも上位へ進出することは可能だが、研究されることも予想される。「選手のモチベーションを高めることにもつながる」(源平監督)という新たなシステムにも挑戦して4月の関東1部リーグ開幕まで見極めていくつもりだ。

 レギュラーたちの能力の高さは昨年実証済み。加えてこの日指揮官が及第点を与えていたMF河津良一(1年=作陽高)、MF星野有亮(1年=静岡学園高)、そしてロングスローと豊富な運動量を見せたSB館坂信也(1年=桐光学園高)らや有力な1年生たちがチームに新たな力を加えて、全日本大学選手権4試合で18得点をたたき出した昨年とはまた一味違う面白いサッカーをピッチで表現する。

[写真]後半45分、専修大はFW鈴木勇が意地のゴール

(取材・文 吉田太郎)

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