ブンデスリーガは26日、第5節2日目を行い、MF宇佐美貴史の所属するホッフェンハイムは敵地でFW岡崎慎司、DF酒井高徳の所属するシュツットガルトと対戦し、3-0で快勝した。宇佐美は前半5分に圧巻の個人技で先制点。2試合ぶり今季2得点目に「理想どおりというか、一人で取れたのでよかった」と白い歯をこぼした。

　電光石火の先制点だった。前半5分、左サイドでルーズボールを酒井と競り合い、スライディングタックルでボールをカット。ワンツーの形でリターンパスを受けると、スピードに乗ったドリブルで縦に仕掛けた。

「狙いどおりというか、最初のディフェンスがすごい軽かったので、あれでスピードに乗れた。相手のCB2人もあんまりスピードがある方ではないと思っていたので、スピードで振り切れた」

　一気にPA内に進入すると、今度は鋭い切り返しでMFクビストをかわし、右足でシュート。「以前なら、あのまま打っていたと思うけど、なんでか冷静になれて、切り返しもうまくできた」。鮮やかな個人技でシュツットガルト守備陣を翻弄。最後はGKの股間を抜き、ゴールネットを揺らした。

「相手が緩かった。得点シーンも一人目が異常に軽かったので。何もしないで見ていたというか。2人目からは俺の良さも出たと思うので。一人目であれだけ簡単に抜けたので余裕を持てた。あのときはもう自分で行くことしか考えてないし、最近はあのポジションで持ったら自分で行くことしか考えてないです」

　チームを勝利に導く先制点には予感もあった。試合当日、昼寝をしたときにゴールを決める夢を見た。「今までそういうことはない。あんまりサッカーの夢は見ない」というが、「点を取る夢を見て、めっちゃ喜んだ夢だった。どんなゴールかは覚えてないけど、点を取った夢だった」と明かした。

　前節のハノーファー戦(3-1)は1-1の後半36分に交代し、自分に代わって入ったFWホラントが2アシストを記録した。「危機感はあった」という宇佐美に、その思いが夢となって出てきた。「夢の中でもめっちゃ危機感があって、『よかったー』と思っていたら夢やった。だから実際に点を取ったとき、混乱してたんですよ。まだ夢が続いてんのかなって。(夢じゃなくて)良かったですよ」と笑った。

　チームは後半2分、13分と追加点を奪い、3-0の快勝。2試合連続の3ゴールで今季初の連勝を飾った。開幕3連敗後の2連勝。「勢いに乗れているし。負け癖が付いたあとに勝って、チームの雰囲気もいい。次も勝てば3連敗して3連勝なので、結果としては悪くないと思う。次につなげていきたい」と、チーム状況にも手応えを深めている。

　宇佐美は3-0の後半22分に途中交代。ふくらはぎを打撲したそうで、「走ったら痛かったんだけど、後半にひねって。切り返したときに痛かった」という。ただ、重傷ではないようで、「次も中2日であるし、やめとこうかなと。中1週間ならやっていたかもしれないけど、中2日なので。そういうのもあるし、3-0になって、試合展開も大丈夫そうだったので」と、あくまで大事を取っての交代と強調。「次はたぶん大丈夫だと思います」。次節は29日、ホームでのアウクスブルク戦。個人としてもチームとしても、この勢いを止める理由はない。

(取材　了戒美子)

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