近年のミランの低迷には、彼も心を痛めていただろう。だが、アンドリー・シェフチェンコ氏は、古巣がすぐに復活を遂げると信じている。

　現役時代にミランでセリエA得点王に輝き、スクデットやチャンピオンズリーグ(CL)制覇などタイトルを獲得したシェフチェンコ氏。イタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』が同氏のコメントを伝えた。

「クラブは移行期にあり、フロントはプロジェクトに合う監督と選手たちを探している。会長がまたすごく投資するようになったし、最近は何度かロッカールームも訪れているようだね。彼の存在は熱意につながるんだ。会長がチームのそばに来るようになって、結果が出始めたことも、偶然ではないと思う。ラツィオ戦で3連勝だね」

「サッカーでは、困難を経てからトップに戻るのは簡単なことじゃない。時間と仕事が必要だ。でも、この25、26年で、ミランは世界で最も勝利したクラブだ。マンチェスター・ユナイテッドやチェルシー、バルセロナ、レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘンのようにね。僕は、ミランはこの移行期を乗り越え、またすぐに以前のように強くなると思う」

　そのために、シニシャ・ミハイロビッチ監督は適切な人材なのだろうか。

「優れた指揮官だし、真の男だ。勝つために何をすべきか分かっている。経験もあるし、強い気質の持ち主だ。それが助けになるだろう。彼はミランでプレーしたわけじゃないけど、インテルで戦った。ミラノの街とミランの監督に必要な特長を知っている」

　そのミハイロビッチ監督が目指すのは、カルロ・アンチェロッティ氏のような黄金期の復活だ。シェフチェンコ氏にとって、アンチェロッティ氏は特別な存在だろう。

「カルロもミハイロビッチのように指揮官として素晴らしいキャリアを築いた。いろいろなタイトルを獲得している。優れた指揮官で、人としても素晴らしいんだ。選手たちはみんな彼と最高の関係になる。僕も例外じゃない」

　一方で、シェフチェンコ氏はチェルシー時代にジョゼ・モウリーニョ監督と良好な関係になかった。

「それは違う。僕は幸運にもアンチェロッティやチェーザレ・マルディーニ、バレリー・ロバノフスキー、そしてモウリーニョのような指揮官たちから指導してもらえた。全員から多くを学んだよ」

「ジョゼはとてもプロフェッショナルだ。細かいこともすべてケアする。チャンピオンズリーグ(CL)決勝のような素晴らしい目標を達成する方法を知っているんだ。最高の指揮官の一人で、選手たちを常に集中させる。選手たちを真の勝者にするんだ」

　そのモウリーニョ監督は今、チェルシーで苦しんでいる。

「チェルシーの現状は普通ではなく、説明するのは難しい。でも、彼は優秀だ。ビッグクラブのベンチに座っており、素晴らしい選手たちがいる。今の難しい時期を抜け出すための方法を見つけるだろう。(ロマン・)アブラモビッチはまだ彼を信頼している。チェルシーのサポーターもね」

　最後に、元バロンドーラーのシェフチェンコ氏は、バルセロナFWリオネル・メッシとレアル・マドリーFWクリスティアーノ・ロナウドのどちらが今年度の受賞者になるかを問われ、こう答えた。

「2人とも素晴らしい選手だ。でも、メッシはCLで優勝している。彼が候補だと思う」

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