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“43分間の沈黙” ジェノアサポーター、セリエA初戦で橋崩落事故の犠牲者43人を追悼

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試合前、黙祷を捧げるジェノアの選手・サポーター

 セリエA第2節のジェノアエンポリ戦は26日、重々しい雰囲気の中で開かれた。ホームのサポーターが43分間にわたって沈黙し、その後は一斉に「ジェノバ、ジェノバ」の大合唱。不慮の事故でこの世を去った人々に向けての粋な演出だった。

 ジェノアがホームタウンを構えるイタリア北部・ジェノバでは、今月14日に世界中を駆けめぐる悲劇的な事故が起きた。地上約50mの高さに架かる約1.2kmにも及ぶモランディ橋が突然崩落し、高速道路を走行していた43人が犠牲となったのだ。

 建設から50年以上が経っていたこともあり、国内では単なる事故にはとどまらない騒動に発展。本来は19日に行われるはずだったセリエAの開幕戦にも甚大な影響を及ぼし、一時は全試合中止という議論も経つつ、ジェノアとサンプドリアの2試合が延期になっていた。

 ジェノアにとってはエンポリ戦が2018-19シーズンの初戦。ホームに集結した観衆は犠牲者を弔う演出を行った。「あなたたちのための沈黙。心の中には43回の傷。誇りを持って立ち上がり、輝かしさを取り戻そう」という横断幕を掲げたサポーターはキックオフから42分間にわたって沈黙。時計の針が犠牲者数と同じ前半43分を指すと、一斉に「ジェノバ、ジェノバ」の大合唱を開始した。

 試合は前半6分、FWクシュシトフ・ピョンテクのゴールで先制すると、同18分にはFWクリスティアン・クアメが追加点を奪った。2点のリードにもサポーターからは歓声すら沸かなかったが、想いを理解して闘う選手たちはハードワークを続行。後半アディショナルタイムに1点を返されたものの、“開幕戦”での白星をサポーターにプレゼントした。



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