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「罪のない子の命が失われた。倫理がなければ競技もない」ロシア除外に伊サッカー連盟会長

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ガブリエレ・グラビーナ会長が見解

 イタリアサッカー連盟(FIGC)のガブリエレ・グラビーナ会長が、4日付のイタリア紙『コリエレ・デラ・セーラ』のインタビューに応じ、ロシアによるウクライナ侵攻を巡る欧州サッカーの立場などについて見解を示した。

 連日、ロシアの軍事侵攻によるウクライナ国内の被害状況が伝えられる中、FIGCのグラビーナ会長も心を痛めている。

「つらい。非常につらい。人の命や尊厳に対するリスペクトがある人ならば、みんなが私と同じように感じているはずだ。スポーツ界はロシアのウクライナ侵攻に対し、かつてないほどに一丸となっている。そもそもカルチョとは、国連加盟国をも上回る211もの連盟が参加しており、ものすごく大きな社会的集団によって形成されている。その集団が一致団結して動き、“戦争反対”を叫んでいる」

 ウクライナでは、多くのアスリートが母国を守るため、軍に入隊したことが伝えられた。

「彼らは国と家族を守るために戦っているが、すでに命を落とした者も多い。力強く生存権を訴えるウクライナサッカー連盟のアンドリー・パベルコ会長の話を聞いていて身震いした。近くでミサイルが爆発する音も聞こえていた。私は苦痛を抑えることはできなかった。あの時、涙がこぼれ落ちたことを隠すつもりはない。私だけでなく、多くの者も同じだった」

 欧州サッカー界は、「お金のことしか考えていない」と言われてきたが、ロシア企業ガスプロムとの契約を解消する決断を下した。また、ロシアのチームを大会から除外することにも踏み切った。

「倫理的な選択であり、我々の心情とも一致する。倫理がなければ、競技も成り立たない。20年間の努力が無駄になるかもしれない選手たちのつらい気持ちは理解できる。だがどれほどの罪のない人々、子どもたちの命が失われたことか。彼らがこの無駄な紛争を望んでいたのか? 我々はここで強いメッセージを発信する必要がある」

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