パリSGのナセル・アル・ケライフィ会長が、FWキリアン・ムバッペの獲得を狙ったレアル・マドリーについて語っている。

　レアル・マドリーは昨夏、今夏とムバッペの獲得を目指したが、移籍に合意していたとされる同選手は最終的にパリSG残留を決断。スペイン『マルカ』とのインタビューに応じたケライフィ会長は、ムバッペが残留及び契約延長を選んだ理由について、次のように説明している。

「レアル・マドリーについてはクラブとしてリスペクトしている。素晴らしいクラブなのだからね。だがキリアンは金によって契約延長を決めたわけではない。最初にこれを言わせてくれ。マドリーのオファーは、私たちのものを上回っていたんだ。彼は私たちの選手だが、マドリーのほかイングランドのクラブからも興味を持たれていた。しかし私たちは彼とも彼の家族とも、最後の瞬間まで金の話をしなかった。キリアンが興味を持っていたことはフットボール、スポーツ面のプロジェクトだったわけだよ」

「彼はパリジャン、フランス人であり、彼の町、彼の国、彼のクラブを代表するためにここに残ることを望んだ。言われているようなことは正しくない。彼らにとって金は最も重要なものではない。彼らは勝ちたいのであり、確固たるスポーツ面のプロジェクトを欲しているんだ」

　レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は、ムバッペが去就決定の10日前に考えを改めたとの見解を示していた。

「マドリーが何を言っているのかは知らない。数日前か数か月前かといったことはね。私は18か月前からムバッペが残りたいことを知っていた。質問される度にそう答えてきたはずだ。マドリーは彼があそこでのプレーを望んでいると吹聴していたようだが、真実は違う。私たちは今、マドリーの最後のオファーについて話をしているが、しかし昨夏に彼らは(パリSGに対して移籍金)1億7000〜8000万ユーロのオファーを提示したんだよ。年俸を含めれば、マドリーのオファーは私たちのものを上回っていたんだ」

「私は1億8000万ユーロのオファーを拒絶し、信頼する人々からもクレイジーと言われることになった。次の夏(今夏)に無料で放出することになるとね。だが、私がそうしたのはキリアンが残ると確信していたからにほかならない。私は彼と彼の家族のことを、彼が望むことを知っている。キリアンはとても真面目なプロフェッショナルであり、求めているのはプレーすることと勝つことだ。金はどうでもいいんだよ。マドリーが失望しているのは理解できるが、今、ムバッペについて言われていることはフェアじゃない」

　ケライフィ会長はその一方で、マドリー、バルセロナ、ユベントスが今なお諦めていないスーパーリーグ構想についても言及した。

「私にとってはもう終わったことだ。しかし奇妙でもあるね。マドリーはチャンピオンズを勝ち取った。それも、ふさわしい形でね。だが彼らはチャンピオンズ優勝を望み、優勝を祝いながらも、その一方でプレーすることを嫌っているんだ。満足していないならば参加しなければいいのに。チャンピオンズは皆にとって世界最高の大会だが、しかしスペイン人のファンもこの大会に反対しているのはなぜなんだろうね。とにかく、私にとってスーパーリーグはもう死んでいるよ」

　ラ・リーガのハビエル・テバス会長はパリSGが財務規則を守っていないとして訴訟を起こしたが、ケライフィ会長は意に介していないようだ。

「テバスっていうのは誰だい?　そんな人物は知らない。私たちの流儀では、ほかのクラブやほかのリーグ、連盟のことに首を突っ込みまない。それは私たちのスタイルに反する。しかし、部外者が説教を垂れることは受け入れらない。何を言おうが、本当にどうでもいいのだが、もう何年も前からそんなことを話している。私たちには構築すべきフットボールのプロジェクトがあり、前へと進み続けるよ」

「毎年、毎夏、同じことが繰り返されている。私たちがフェアプレーを遵守していないとかどうとか……。自分たちに何ができるか、私たちは彼よりも熟知している。私たちがすべきことについて、誰かが何かを指摘する必要はないんだ。外部の人間が私たちにできること、できないことをいちいち言わなくていいんだよ」

「例えばメッシの件だ。今回と同じように、メッシとの契約は不可能と言われたが、最終的には彼とともに金を生み出した。彼(テバス)にはアイデアがないし、自分のリーグに集中すべきだろう。彼んリーグは、少し死にかけているのだからね」

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