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BBCとリネカー氏が対立、『マッチ・オブ・ザ・デイ』が異例の放送に…現地ファン騒然も和解成立か

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ガリー・リネカー氏とBBCが対立

 前節7-0でマンチェスター・ユナイテッドに勝利したリバプールが最下位のボーンマスに敗れるなど、第27節も目が離せなかったプレミアリーグ。しかし、現地ファンが最も関心を持ったのはテレビ番組だったのかもしれない。

 1964年からBBCで毎週放送されている人気サッカー番組の『マッチ・オブ・ザ・デイ』に関して、大きな問題が生じた。きっかけは出演者で元イングランド代表のガリー・リネカー氏が6日、Twitter(@GaryLineker)でイギリス政府による移民政策を批判したことにある。リネカー氏は同政府が移民の受け入れを減らす法案を展開しているとし、「残酷な政策」と表現するなど複数の投稿で反対の姿勢を示していた。

 BBCは同局が定める政治的中立に関するガイドラインをリネカー氏が違反していると判断し、10日に「SNSの使用に関する明確な合意がされるまで彼がマッチ・オブ・ザ・デイの出演から離れる」と発表。一時的なものだが、降板という重い処分を下した。

 この決定に対して、イアン・ライト氏ら共演者が相次いでリネカー氏への連帯を表明。11日の放送回について出演をボイコットするとし、同国選手会も「11日の試合に出場する選手はマッチ・オブ・ザ・デイのインタビューに応じない」と反応した。その結果、約90分の放送時間を使って豊富な試合分析や討論などが行われる同番組は11日放送回が20分と大幅に短縮され、ナレーションも全くない各試合ハイライト映像のみを放映する形に。さらに同局が放送する他のサッカー番組も出演者がボイコットしたため、BBCは放送時間の短縮や放送中止といった対応を迫られた。

 長い歴史を持つ『マッチ・オブ・ザ・デイ』が異例の放送となったが、放送前にボイコットが続々と発表されていたこともあり、注目度は通常よりも高かったようだ。現地メディアの『デイリー・メール』は258万人が視聴したことを伝え、通常よりも50万人ほど多い数字だったとしている。

 今回の騒動を受け、BBCのティム・デービー局長は13日に声明を発表。「2020年に導入されたBBCのソーシャルメディアガイダンスのグレーゾーンによって発生した」と混乱の原因を伝え、「公平性はBBCにとって重要」とする上で運用の見直しを行うと解決策を示した。同氏によるとリネカー氏との和解は成立したようで、「今週の放送に彼が登場するのが楽しみ」と番組が通常通りの内容に戻ることを示唆している。

 またリネカー氏もBBCを通じて「前進する道が見つかったことを嬉しく思う」とコメントし、「放送に復帰することを心待ちにしている」と伝えている。

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