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“ゾンビ”韓国64年ぶりVならず…笑顔を批判されたクリンスマン監督が反論「指導者として当然」森保J敗退にも言及

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ユルゲン・クリンスマン監督

[2.6 アジア杯準決勝 ヨルダン 2-0 韓国 アルラーヤン]

 64年ぶりのアジア制覇を狙う韓国代表だったが、最後は初の4強入りで勢いに乗る中東勢のヨルダンに屈した。試合後、ユルゲン・クリンスマン監督は「決勝進出という大きな目標があったので敗れてがっかりしている。ヨルダンを称えたい」と振り返りつつ、「立ち上がりの30分間、押されたことで試合を難しくしてしまった」と敗因を語った。

 グループリーグを1勝2分の2位で突破し、決勝トーナメント1回戦ではサウジアラビアをPK戦、準々決勝オーストラリア戦を延長戦で勝ち上がった韓国。後半アディショナルタイムの同点ゴールを3試合で記録するなど、あまりの死闘続きに国内では“ゾンビサッカー”とも揶揄されていたが、この日はその勝負強ささえ影をひそめた。

 前半は互いに決定力を欠いてスコアレスで折り返したが、後半8分に今大会の悪癖であり続けた自陣でのパスミスからカウンターを決められ、先制点を献上。ここからが“ゾンビ”韓国の本領発揮かと思われたが、交代選手を使っても戦況は改善されず、同21分にも中盤でのボールロストからFWムサ・アルタマリの突破を許し、豪快なミドルシュートを決められた。

 2点ビハインドとなったのは今大会初めてとあり、終盤の攻勢も過去2試合のような迫力は出せず、そのままタイムアップ。64年ぶりのアジア制覇という目標には届かなかった。

 試合後、大会全体を振り返ったクリンスマン監督は「この戦いの中で数多くのドラマを目にした。このアジア地域がやろうとしていることを証明した。どんどん良くなっていくことが分かった」とし、森保ジャパンの敗退にも言及。「東アジアのチームはこのアラブ諸国で結果を出すのに苦労している。日本は早々と敗退したし、我々も今夜家に帰る」とし、「この大会から得るものはたくさんあるし、素晴らしい大会で非常に良いサッカーを見せた様々な国に敬意を示したい」と語った。

 また報道陣からの「退任の予定はあるか」という質問には「プランは何もない」と回答。「まずは韓国に戻ってトーナメントを分析し、何が良かったか、何が悪かったかを整理したい。成長もあったし、改善点もある。2年半後にメキシコ、カナダ、アメリカで次のW杯がある。難しいW杯予選にどう準備するかが大事だ」と継続指揮に意欲を見せた。

 さらに報道陣からは試合後、指揮官がヨルダンのフセイン・アムータ監督と笑顔で握手をしていたことについて、韓国の記者から批判的な質問も飛んだ。だが、これには「良い形で勝った相手チームを祝い、尊重するのは指導者として当然だと思う」と反論。この敗戦について「残念だし、怒りがある」と感情を表現しつつ、「試合後に相手の監督と挨拶したのは経緯があるからだ」と断言した。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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